研究課題/領域番号 |
19H01329
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
小田原 琳 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (70466910)
|
研究分担者 |
鈴木 珠美 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20641236)
鈴木 鉄忠 東洋大学, 国際学部, 准教授 (20726046)
藤井 欣子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (30643168)
秦泉寺 友紀 和洋女子大学, 国際学部, 教授 (60512192)
古川 高子 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (90463926)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
キーワード | 西洋史 / 境界地域 / 記憶 / 境界 / 国民国家 / ヨーロッパ / ジェンダー / 戦略的実践 / 国民 / 戦争 / 国民化 / 歴史 |
研究開始時の研究の概要 |
冷戦の終結とグローバル化の進展とともに、政治的秩序という観点において国境の重要性は逆説的に注目を浴びている。歴史叙述における国民国家という既存の単位も疑義に付され、空間を囲い込み移動を管理する「境界化」の権力、境界を超える「透過性」の条件に関する議論を歴史的に叙述することが求められている。本研究は、境界変動の激しい地域で、住民がどのように事態に対応し、どのような記憶を蓄積したか、そこにどのような力が働いたかを、ローカルおよびトランスローカルなレベルで明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
19世紀末から20世紀半ばにかけて激しい境界変動を被った歴史的境界地域であるアルペン・アドリア地域における、「境界化」の権力に対する地域住民の主体的・戦略的実践について多角的に検討することを目的とした本研究では、20世紀初頭を中核とする前後の時期の境界化の運動の歴史的経緯、当該時期の境界化が、この地域の人の移動の活発化・恒常化、当該地域における現代的課題や、当該地域の住民の実践のトランスナショナルな影響などを明らかにすることができた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、アルペン・アドリア地域の激しい境界変動と、それに対する住民の生存戦略を、「境界化」の権力という視角から検討することを目的とし、当初は近代国家形成と戦争によって実際に境界画定が生じた19世紀末から20世紀半ばを対象としていた。しかし、研究の進展にともなって、今日、当該地域において生じている、戦争の記憶をめぐる衝突や、それ自体はまったく新しい現象であるEU域外からの移民に対する政策や態度などのなかに歴史的な経験が反映されていることが明らかになった。これにより、境界化の権力を通じた境界の強化が今日的課題であることを確認することができたのは、学術的かつ社会的意義をもつ成果であった。
|