研究課題
ローマ帝国からビザンツ帝国への移行期は、アラブ・イスラム勢力が地中海に進出してきた7~8世紀に画される。それは、まさしく古代から中世への転換期でもあった。そうした時代の転換がひとびとの生活や物質文化にどのような影響をもたらしたのか。そのことを、大きな社会構造の変化との関連で解明するためには、ローマ時代からビザンツ時代にかけて、比較的安定した国際情勢の中で生活を紡いでいたひとびとの居住地域に焦点を当てるのが適切であり、トルコ南西部、クサントス川中流域は格好の調査対象たる資格がある。特に未調査の、内陸流通ネットワークと居住区画の地理学的、歴史学的、建築学的調査を行う。