研究課題/領域番号 |
19H01337
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
河合 望 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (00460056)
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研究分担者 |
近藤 二郎 早稲田大学, 文学学術院, 名誉教授 (70186849)
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, グループ長 (70333789)
覚張 隆史 金沢大学, 古代文明・文化資源学研究所, 助教 (70749530)
馬場 悠男 独立行政法人国立科学博物館, その他部局等, 名誉研究員 (90049221)
阿部 善也 東京電機大学, 工学研究科, 助教 (90635864)
高橋 寿光 金沢大学, 新学術創成研究機構, 研究協力員 (30506332)
柏木 裕之 東日本国際大学, エジプト考古学研究所, 客員教授 (60277762)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
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キーワード | エジプト / 考古学 / サッカラ / グレコ・ローマン時代 / カタコンベ / 埋葬 / 墓地 / 保存修復 / 初期王朝時代 / 発掘調査 / 碑文調査 / 人骨 / サッカラ遺跡 / ローマ支配時代 / 新王国時代 / 測量 / 記録 / 古代エジプト / ローマ支配期 / 埋葬習慣 / 来世観 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、エジプト・サッカラ遺跡発掘調査による、古代エジプト新王国時代(前1550年~1069年頃)の歴史および文化の再構築を目的とする。従来の新王国時代の歴史記述は、当時の宗教の中心地であり、かつ考古資料の保存状態も良好なテーベの資料に偏重されてきた。このような状況に鑑みて、本研究では北サッカラ遺跡の新王国時代墓地で本格的な発掘調査を実施し、ここから出土する新発見の埋葬資料、物質文化、文字資料、図像資料によって、これまで偏りのあった新王国時代の資料を補完し、当該地域における古代エジプト新王国時代の埋葬習慣や歴史、文化についての文理融合の学際総合的な解明を試みる。
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研究成果の概要 |
本研究は、エジプト有数の墓地遺跡であるサッカラ遺跡の新王国時代の墓地を発掘し、出土した遺構や遺物を学際総合的に調査研究を行うことを目的としていた。2019年にエジプト考古省から許可が得られ、発掘調査を行なった結果、紀元前1世紀から紀元後1世紀に年代づけられるグレコ・ローマン時代のカタコンベ(地下集団墓地)をほぼ未盗掘の状態で発見した。これは、サッカラ遺跡だけでなくナイル川流域における初のグレコ・ローマン時代のカタコンベの発見であった。この発見の翌年2020年よりコロナ禍が始まり、調査の延期を余儀なくされたが、2023年2月に調査を再開し当時の埋葬習慣を明らかにする極めて貴重な資料が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、エジプトにおけるグレコ・ローマン時代の埋葬習慣および来世観についての極めて重要な新知見をもたらした。特にカタコンベ内部の広間および側室の埋葬は、埋葬時からほぼ手付かずの状態で出土し、最初の埋葬から数期に渡って追葬されている様相が明らかとなった。また、これらはミイラ化の遺体処置から単純に遺体を墓に埋葬する葬法への変化が通時的に確認することが可能な稀有な事例である。またテラコッタ製像やギリシア語碑文が刻まれたステラなどの遺物からエジプト文化がギリシア・ローマ文化を受容し、変容していった様相が看取される。これらのデジタル記録は今後の文化遺産の活用の点で大きな可能性がある。
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