研究課題/領域番号 |
19H01339
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
福永 伸哉 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (50189958)
|
研究分担者 |
高橋 照彦 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 教授 (10249906)
上田 直弥 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 助教 (70823780)
中久保 辰夫 京都橘大学, 文学部, 准教授 (30609483)
門林 理恵子 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (70358886)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
|
キーワード | ヤマト政権 / 畿内地域 / 墳丘墓 / 古墳 / 八州嶺古墳 / 青銅器 / 土師器 / 猪名川流域 / 景観考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は以下の二つの柱からなる。第一は、弥生後期~古墳前期の畿内地域における出土考古資料の分析と発掘調査によって、畿内内部の地域間関係の劇的な変動をふまえたヤマト政権成立史の新しい理解を提示すること、第二は、ヤマト政権成立過程における畿内地域の墳丘墓・古墳・集落のネットワークを、地形及び三次元位置情報の観点から分析し、そのネットワーク変動とヤマト政権成立史の相関関係を「景観考古学」の手法で解明することである
|
研究成果の概要 |
本研究では、ヤマト政権成立過程の2世紀~3世紀中頃(弥生後期、弥生終末期、古墳前期)における畿内内部の地域関係の推移を検討し、大和・摂津地域では、弥生終末期以降に、三角縁神獣鏡の急増、円丘系墳墓築造の活発化、布留式土器の普及などの点で同一歩調が生まれるのに対して、河内地域では三角縁神獣鏡の少なさ、方丘系墳墓の強い伝統、庄内式土器への固執など、対照的なあり方が見られることを明らかにした。このことから、弥生後期までの大和・河内の連携から、弥生終末期以降は大和・摂津の連携へと地域関係が変化し、これが古墳時代のヤマト政権内部の主導権争いにもつながったという新たな理解を提示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、ヤマト政権成立過程に当たる弥生後期~終末期に焦点を当てた畿内諸勢力の関係を検討する研究はほとんどなかった。これに対して、本研究では大和・河内・摂津の間の政治的親疎の関係が当該期に劇的に変動したとの理解を提示し、これが古墳時代ヤマト政権の「勢力交替」の動きの前提になったのではないかとの見通しを示した。ヤマト政権の権力構造の推移を政権成立前史に遡ってダイナミックにとらえることによって、新たな古墳時代史の理解が可能になると期待される。また、フィールド調査を実施した宝塚市八州嶺古墳は猪名川流域最大の前方後円墳であることが判明し、地域の文化財保護行政に有効に活用できる情報を提供できた。
|