研究課題/領域番号 |
19H01342
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 (2021-2022) 九州大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
岩永 省三 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 客員研究員 (40150065)
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研究分担者 |
吉村 和昭 奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部学芸課, 課長 (10250375)
高椋 浩史 九州大学, アジア埋蔵文化財研究センター, 学術研究者 (10759418)
石田 智子 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (40624359)
米元 史織 九州大学, 総合研究博物館, 助教 (40757605)
辻田 淳一郎 九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
舟橋 京子 (石川京子) 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80617879)
谷澤 亜里 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (50749471)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 国家形成 / 親族構造 / 九州南部 / 形質人類学 / 考古学 / 地下式横穴墓 / 古人骨 / 地下式横穴 / 地下式板石積石室墓 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、国家形成前段階における親族構造変動の地域的偏差の実態を、九州南部地域出土の古人骨資料の形質人類学的研究に基づいて明らかにするとともに、考古学的研究により当該地域の集団の首長や司祭者などの社会的地位や財の継承方法、集団の階層分化の様相も明らかにし、当該地域が律令国家に編入される前の社会組織の水準を明らかにする。 異文化集団とも評価されてきた九州南部地域の非高塚古墳造営地域集団の親族組織の実態を、形質人類学的方法、自然科学的方法で解明する。また当該集団の社会構造の実態を、墳墓群および集落の内部構造の分析、あるいは個々の墳墓や住居址からの出土品の考古学的検討から考古学的方法で解明する。
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研究成果の概要 |
国家形成前段階における親族構造の地域的偏差の様相を、九州地域出土の古人骨資料の形質人類学・骨考古学的研究に基づいて明らかにした。また、考古学的研究により、九州南部地域の集団の社会的地位や財の継承方法、集団の階層分化の様相も明らかにし、当該地域が律令国家に編入される前の社会組織の様相を明らかにした。 九州南部地域の集団は、古墳時代に地下式横穴墓などの地域性が強い墓を造営し、5世紀まではヤマト王権と交渉し、多くの威信財を入手する機会を有した。しかし、6世紀以降、しだいに高塚造営地域との文化的交流が疎となり、社会組織や統合の在り方が高塚造営地域と懸隔が大きくなった。その様相・プロセスを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本列島の先史時代の文化は一様ではなく地域性があった。日本列島の南端である南部九州地域の集団は、古代には文化的異質性から「隼人」と呼ばれるようになり、軍事的征服の対象とされた。本研究は、当該集団の形質的特徴の発現過程を明らかにするとともに、彼らの文化的異質性がいつからどのように顕著になり、その原因は何であったのかを解明した。特に、古墳時代の親族組織の在り方が、社会組織や儀礼の在り方に大きく作用していることを明らかにした。これは東北地方の「蝦夷」と呼ばれた集団の歴史の研究にも応用できるであろう。
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