研究課題/領域番号 |
19H01347
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
|
研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
嘉幡 茂 京都外国語大学, 京都外国語大学ラテンアメリカ研究センター, 客員研究員 (60585066)
|
研究分担者 |
南 博史 京都外国語大学, 国際貢献学部, 教授 (00124321)
市川 彰 名古屋大学, 人文学研究科, 共同研究員 (90721564)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
|
キーワード | メソアメリカ / 古代都市 / トラランカレカ / テオティワカン / ピラミッド / 象徴性 / 世界観 / 物質化 / 神々 / 認知考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の課題は、古代メソアメリカ文明における都市の形成過程を解明することにある。先行研究によると、メキシコ中央高原では後3世紀頃にテオティワカンで急速に都市化が進み、初期国家が形成された。しかし、先行社会からの文化継承を重視せず、自生的に発展したとの観点から議論が行われる。ここに課題があると判断し、研究代表者は研究に取り組んできた。結果、この社会変動の以前と以降に無視できない物質文化の類似性を発見した。本研究では歴史的連続性という観点から世界観の物質化に着目し、都市の形成過程の解明に向かう。そのため政治・経済・宗教的拠点の一つであったトラランカレカ遺跡(前800年~後300年)で調査を行う。
|
研究成果の概要 |
本課題研究の目的は、古代メソアメリカ文明のメキシコ中央高原において、何故人々はある特定地域に集中し都市化(前100~後200年頃)が達成されたのかを解明することにあった。これに向かい、メキシコ合衆国プエブラ州トラランカレカ遺跡で考古学調査を実施し、獲得したデータと先行研究の精査を基に歴史復元を行った。本課題研究では、都市を単なる物質空間としてではなく象徴空間として理解し、その象徴性の要としてピラミッドに着目しながら、従来の解釈とは異なった歴史像を提供できた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、本課題研究で獲得した考古学データを考古学のみではなく、歴史学と人類学の枠組みで解釈し、新たな歴史観と社会の複雑化に関する知見を提供できたことにある。これに加え、「都市」を古代人の世界観を基に定義づけたことにより、人々が何故ある特定地域に集住するのかという疑問に対し、従来とは異なった見解を提示できた。都市を物質空間としてではなくシンボルを共有する象徴空間として捉える観点は、現代における都市の盛衰を分析する上でも援用可能であろう。これが社会的意義である。
|