研究課題/領域番号 |
19H01349
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 天理大学 |
研究代表者 |
桑原 久男 天理大学, 文学部, 教授 (00234633)
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研究分担者 |
間舎 裕生 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, 客員研究員 (00733114)
津本 英利 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (40553045)
増渕 麻里耶 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50569209)
長谷川 修一 立教大学, 文学部, 教授 (70624609)
橋本 英将 天理大学, 文学部, 教授 (80372168)
小野塚 拓造 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 主任研究員 (90736167)
巽 善信 天理大学, 参考館, 学芸員 (60441432)
日野 宏 天理大学, 参考館, 学芸員 (20421290)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 地中海 / レヴァント / 青銅器 / 鉄器 / 青銅器時代 / 鉄器時代 / テル・レヘシュ / 旧約聖書 / 移行期 / 遺跡 / 発掘調査 / 考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
東地中海地域の初期鉄器時代は、アナトリアやシリアにおいては後期青銅器時代に続く実態不明の時期として「暗黒時代」と呼ばれてきた。一方、地中海東岸地域でも南レバント地域では、古代イスラエル民族が出現する重要な時期として扱われ、後期青銅器時代と分断して理解されてきた。しかし、どちらの地域でも、近年、後期青銅器時代の文化が初期鉄器時代へ連続する事例が増え、理解を改める必要が生じている。本研究では、イスラエル、テル・レヘシュ遺跡の調査成果に基づき、この「移行期」の実態を解明し、『旧約聖書』に依拠した歴史像から脱した地域史像を提示し、広範な歴史的コンテクストの中に「移行期」を位置づけることを目指す。
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研究成果の概要 |
イスラエル、テル・レヘシュの第12次発掘調査を実施し、「下の町」において地中レーダ探査で大規模な建築遺構の存在が想定された区域について、発掘調査を実施した。その結果、二カ所において鉄器時代初期に属すると見られる遺構を確認することができた。一つは一般の住居遺構の一部の可能性があり、もう一つは大規模な建物の可能性が考えられた。 また、南レヴァントにおける青銅器・鉄器移行期の様相について周辺地域と比較を行った。その結果、『旧約聖書』の記述と関連づけられてきた南レヴァント地域の歴史像を相対化し、青銅器から鉄器への移行という人類史上の大きな変化を「移行期」の社会状況の中に位置づけ直すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
イスラエル、テル・レヘシュの発掘調査成果を軸にした考古学的研究を行い、地中海東岸地域における青銅器・鉄器時代移行期の社会状況の一端を解明できたことは、旧約聖書の記述に捉われない実証的な地域史を提示する試みとして学術的意義があったと考えられる。東地中海地域の大転換期である青銅器・鉄器移行期の様相を研究することで、青銅器から鉄器への移行という一大変革をどう理解するかといった人類史的な問題について新たな理解を生み出すことができた点も意義があったと考えられる。また、同時代の研究に従事する現地の研究者との相互協力をはかり、国際的交流や地域貢献を行うことができた点に社会的意義があったと考えられる。
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