研究課題/領域番号 |
19H01354
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
国武 貞克 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, その他部局等, 主任研究員 (50511721)
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研究分担者 |
佐藤 宏之 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (50292743)
國木田 大 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (00549561)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 中央アジア / 日本列島 / 後期旧石器時代初頭 / 石刃石器群 / 発掘調査 / 初期後期旧石器時代 / 後期旧石器時代前期 / 香坂山遺跡 / 冠遺跡 / 年代測定 / カザフスタン / タジキスタン / 大型石刃 / 初期後期旧石器時代(IUP) / 後期旧石器時代前期(EUP)) / 尖頭器 / 初期後期旧石器時代(IUP期) / 中央アジア西部 / フッジ遺跡 / 小石刃 / 尖頭形剥片 / 放射性炭素年代測定 / ウズベキスタン / 後期旧石器時代 / 後期旧石器時代初頭(IUP期) / ルヴァロワ型尖頭器 / 多層遺跡 / IUP期の時期変遷 |
研究開始時の研究の概要 |
日本を含む東アジアの後期旧石器文化の形成に重要な北回り拡散ルートのうちアジアへの入口にあたる天山-パミール地域は実態が不明である。 このため本研究の目的は、天山-パミール地域において後期旧石器編年を構築することで、中央アジアの後期旧石器文化の成立を解明することにある。特に後期旧石器時代初頭から前期の遺跡で発掘調査を行い、年代測定により絶対年代を付与して編年樹立のための新資料を獲得する。新資料に基づき実態解明をすすめアルタイやイラン等の周辺地域との比較から中央アジアにおける新人の拡散と地域適応の実態を把握する。構築した後期旧石器編年を根拠に中央アジアにおける新人文化の成立を考古学的に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の2020年、2021年の研究成果として、長野県香坂山遺跡を発掘調査し、中央アジアの初期後期旧石器時代(IUP期)とよく類似する日本列島最古の石刃石器群を発見した。令和5年度は、これと同様の列島最古の石刃石器群を、香坂山遺跡と同様に黒色ガラス質安山岩の原産地において探索するための野外調査を実施した。その結果、中国山地西部の分水嶺の広島県冠高原に所在する冠遺跡において、2010年前後に大型石刃が多量に採取されている地点があることが判明した。その地点を踏査し、地形と露頭断面から包含層の遺存状態を推定し、目的とする石器群が包含されている可能性が高いと判断して、発掘調査を実施した。その結果、複数の文化層を検出し、冠遺跡群では初めて層位的に石刃石器群を検出した。その後、木炭による放射性炭素年代測定分析や石英による光ルミネッセンス年代分析を実施し、これらの石器群の帰属時期や技術的な特徴について予備的な分析を進めた。新しいフィールドにおいて予想外にも当該研究に関連する重要な新資料を入手することができ、本研究課題の推進において大きな成果を得ることが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
列島最古の石刃石器群である香坂山遺跡と対比可能な新しい石器群を、新しいフィールドで発掘調査により非常に良好なデータとともに入手することが出来た。これは当初の計画を大きく上回る成果であり、本研究課題の推進にとって非常に重要な成果を得た、。そのため、当初の計画以上に進展していると評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2019年に発掘調査を実施したタジキスタンの初期後期旧石器時代(IUP期)のフッジ遺跡の整理作業と技術分析研究、及びその成果の論文化が最優先される課題であるため、これに取り組む。カザフスタン南部における後期旧石器時代前期(EUP期)の石刃技術の年代変遷をまとめ、タジキスタン及びカザフスタン東部のIUP期石器群との比較を進めて、中央アジアにおける後期旧石器時代の石刃石器群の成立プロセスについての試案をまとめる。あわせて、2023年に新しく入手した広島県冠遺跡の石刃石器群について、詳細な技術分析を進め、香坂山遺跡で把握した最古の石刃石器群との比較研究を進め、中央アジアにおける石刃石器群の成立と発展過程が、日本列島における後期旧石器時代最初頭の石刃石器群の成立にどのように関与していたのか試案をまとめる予定である。
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