研究課題/領域番号 |
19H01363
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
|
研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
上椙 英之 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (50600409)
|
研究分担者 |
山内 利秋 九州保健福祉大学, 薬学部, 准教授 (20351942)
蝦名 裕一 東北大学, 災害科学国際研究所, 准教授 (70585869)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
|
キーワード | 自然災害伝承碑 / 市民科学 / ひかり拓本 / 地域学習 / 防災教育 / 拓本 / 防災 / 減災 / 文化財防災 / 防災減災 / 金石文 / オープンサイエンス / 市民参加 / 画像処理 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、津波の到達点を示す津波碑、水害発生地点を示す水害碑等、災害の記憶を継承警告する自然災害伝承碑を市民協同で調査する仕組みを構築することを目的とする。 手法としては、安価でありふれた機材(懐中電灯・スマートフォン・三脚)で誰でも簡単に素早く金石文の拓本画像が撮れる光拓本の技術を一般向けにソフトウェアとして公開する。 さらに自然災害伝承碑の拓本調査を教育委員会や高校教諭と共に企画し、広く市民の参加を募り、手法の普及を図る。最終的には市民の自主調査が集約されるシステムの公開を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究は、自然災害伝承碑を市民協同で調査する仕組みを構築することを目的とする。手法として、誰でも簡単に石碑に刻まれた文字を可視化する画像処理技術をアプリ「ひかり拓本」として「研究開発」し、確立した。 さらに地域調査を教育委員会や高校教諭と共に企画し、広く市民への普及を図る以下の「普及活動」を行った。①小学生高学年~高校生向けの地域学習の一環として、自然災害伝承碑など地域の石造物調査への技術支援と機材提供、②地方自治体主催の石造物調査団への技術の紹介と支援、③自治体の所管部局職員向けの技術講習会、④大学研究室での講演とワークショップ、⑤マスメディアでの技術紹介
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により確立した「ひかり拓本」により、誰でも気軽に、そして特殊な機材を使用せずに石碑の文字を可視化が可能となる。結果、これまでは読もうとしてもなかなか読めなかった、然災害伝承碑に刻まれた災害情報が、市民自身の手により可視化、データ化される。 さらに、読みやすくなった碑文の画像を活用することで、行政から市民へパンフレットなどを用いた啓発、学校教育を通して生徒へ、生徒から家庭内といった、災害の記憶を地域で共有する取り組みが容易に構築可能となる。 本研究が示した災害の記憶のデータ化から活用までの仕組みが今後各地に普及することで、地域の防災意識が市民自身の手によって醸成されることが期待される。
|