研究課題/領域番号 |
19H01389
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
白川 千尋 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (60319994)
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研究分担者 |
飯田 淳子 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (00368739)
川田 牧人 成城大学, 文芸学部, 教授 (30260110)
津村 文彦 名城大学, 外国語学部, 教授 (40363882)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,450千円 (直接経費: 6,500千円、間接経費: 1,950千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 呪術 / 効果 / 東南アジア / オセアニア / 文化人類学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、メンバー4名がヴァヌアツ、タイ、フィリピンにおける現地調査で得た民族誌的情報に基づき、呪術の担い手である呪者の施術が当事者たちの間で効果あるものとして受け容れられる(受け容れられない)プロセスやその社会的背景などを実証的に明らかにする。また、そうしたプロセスや社会的背景における生物医学・科学の役割や波及効果なども解明する。以上の目的を達成するために不可欠な調査は、4年間の研究期間を通じて実施してゆく。また、メンバーが個々の調査で得た情報は研究会で比較検討の対象とし、そこでの議論などを通じて形をなしてきた研究成果は2021年度以降、内外の学会発表などを通じておおやけにしてゆく。
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研究成果の概要 |
本研究は、呪術の担い手(呪者)による施術の効果が、当事者たち(呪者やそのクライアントなど)にいかなる形で効果のあるものとして受け容れられているのか(あるいは、いないのか)を、東南アジアとオセアニアを研究対象地域として明らかにしようとした。その結果、施術の現場で使われるモノやそれを介して当事者たちが感受する感覚とならんで、感覚が当事者たちに共有されてゆく際などに用いられる言葉がきわめて重要であること、そうした言葉のなかでは生物医学的・科学的な概念や物語が無視し得ない役割を果たしていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、近年の文化人類学的呪術研究が取り上げてこなかった事象(生物医学・科学と呪術の関係)や問い(呪術の効果はいかなる形でリアリティをともなったものとして社会的に受容されているのか)に焦点を当てた点、および呪術の効果の社会的受容に迫る際にモノ、感覚、言葉の三者関係に着目するという従来の研究にない視点に依拠した点において、学術的独自性の高いものであった。また、そのような学術的意義だけにとどまらず、VUCA時代の現代世界に遍在する呪術的思考・実践の適切な理解にも貢献し得る点で、社会的意義も併せもつものであったと言える。
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