研究課題/領域番号 |
19H01392
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
生田 博子 九州大学, 留学生センター, 准教授 (90783829)
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研究分担者 |
久保田 亮 大分大学, 経済学部, 准教授 (80466515)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 持続可能な社会 / 大規模資源開発 / 北極圏 / 生存漁労 / 先住民 / 資源開発 / 先住民族 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、アメリカ合衆国アラスカ州で進行する金鉱開発のステークホルダーたちが思い描く「持続可能な社会」に向けた様々な取り組みを、民族誌学的資料に基づき検討する。同地域における金鉱開発は、雇用先の創出、小規模ビジネスの拡大など地域経済を活性化させる起爆剤として位置付けられる一方で、地域住民が伝統的に実践してきた野生動物・魚類に負の影響を与える可能性を孕むものである。地域経済の発展と「生き方」としての狩猟漁労実践の持続は、いずれも地域住民の「生活の質」を維持する上で極めて重要と言われている。そこで、本研究では金鉱開発に直接的・間接的に関与するステークホルダーを対象とした人類学的研究を実施する。
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研究成果の概要 |
本研究は米国アラスカ州南西部の天然資源開発事業に焦点を当て、持続可能な社会の構築に向けた取り組みを民族誌学的に調査した。先住民が所有する土地にあるDonlin金鉱開発プロジェクトとサケを捕獲対象とした生存漁労に着目し、地域住民、政府機関、開発企業の三者の持続可能性に向けた取り組みを分析した。彼らステークホルダーの関係性や資源開発への姿勢の変遷を分析することで、生態系と文化的生活の保全と、経済発展の双方の実現に向けた人びとの営為を多面的に活写することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の北極圏における大規模資源開発に関する人類学的研究は、先住民を文化・社会・経済・政治的に均質な集団とみなし、彼らと政府や企業との不均衡な力関係を開発という文脈において考察する傾向にあった。本研究は、先住民という社会範疇にある個の多様性に留意しつつ、資源開発のステークホルダーの相互作用と、価値観の多様性を前提とする包括的な意思決定過程のあり方を示した。これにより、先住民が関与する天然資源開発を実態に即して、複眼的に理解することが可能となった。また、持続可能な社会の実現に向けた試みを考える際に、さまざまな示唆を含む事例を提供することができた。
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