研究課題/領域番号 |
19H01396
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
渡部 森哉 南山大学, 人文学部, 教授 (00434605)
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研究分担者 |
長岡 朋人 青森公立大学, 経営経済学部, 准教授 (20360216)
澤藤 りかい 総合研究大学院大学, 統合進化科学研究センター, 日本学術振興会特別研究員(CPD) (50814612)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | アンデス / ペルー / 考古学 / 文化人類学 / 国家 / 墓 / 人骨 / ワリ / 帝国 / 土器 / DNA / 多様性 / 地方支配 |
研究開始時の研究の概要 |
南米アンデス地域に後9-10世紀に台頭した初期帝国ワリの地方支配の実態を解明し、帝国の成立と発展のメカニズムを理解する。帝国の特徴である人間集団の多様性を、土器、図像、埋葬形態などの物質文化から再構成し、それを出土人骨そのものの分析結果と比較検討する。ペルー北部高地のテルレン=ラ・ボンバ遺跡の発掘調査を実施する。他に計5遺跡の出土人骨、動物骨を対象とし、形態学的分析、同位体分析、DNA分析を行う。ワリ帝国期における統一性の強化と多様性の増加という一見矛盾するように思われる特徴を、同一メカニズムの異なった側面の現れとしてモデル化し、人類史における帝国の成立と展開に関する理論的考察を行う。
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研究成果の概要 |
南米アンデス地域に後8-10世紀にワリ帝国が台頭した。ペルー中央高地南部のワリを首都とし、その支配はペルー北部高地カハマルカ地方にまで及んだ。本研究の目的はカハマルカ地方を事例として、遺跡の発掘データに基づきワリ帝国の地方支配の実態を解明することであった。 テルレン=ラ・ボンバ遺跡はヘケテペケ川中流域に位置するワリ帝国期の遺跡である。この遺跡の第一発掘調査を2019年に、第二次発掘調査を2022年に実施した。複数の墓と共伴する遺物を確認した。同時に、ワリ帝国期の遺跡であるエル・パラシオ遺跡出土人骨の形態学的分析、DNA分析を進め、ワリ帝国の成員の多様性を示す指標を把握した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先スペイン期最後の15-16にインカ帝国が台頭し、スペイン人により征服されたことは世界的事実である。しかしなぜインカ帝国が急速に拡張することが可能であったのか、など不明な点は多い。本研究ではインカ帝国の祖型とされる8-10世紀に台頭したワリ帝国の地方支配の実態を明らかにした。インカ帝国と同様に多民族国家であり、土器や埋葬形態などに多様性が認められることが明らかとなった。インカ帝国は一夜にして出現したのではなく、アンデス文明の長い発展プロセスの結果として理解できる。
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