研究課題/領域番号 |
19H01398
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国際日本文化研究センター |
研究代表者 |
安井 眞奈美 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (40309513)
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研究分担者 |
遠藤 誠之 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30644794)
中本 剛二 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (50724720)
伏見 裕子 大阪公立大学工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60747492)
澤野 美智子 立命館大学, 総合心理学部, 准教授 (00759376)
松岡 悦子 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (10183948)
倉田 誠 東京医科大学, 医学部, 准教授 (30585344)
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90240845)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,860千円 (直接経費: 12,200千円、間接経費: 3,660千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 妊娠・出産 / 産科医療 / 流産・死産 / グリーフケア / 思いがけないお産 / 妊娠、出産 / 流産、死産 / エスノグラフィー / ナラティブ / 口唇裂・口蓋裂 / 不育症 / 流産・死 産 / 妊娠 出産 / フィールドワーク / ナラティヴ研究 / 病院 / 口唇裂、口蓋裂 / 女性の身体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は、現代の妊娠・出産・産後を危機的状況にあると捉え、医療、女性の身体、子供の命といったさまざまな切り口から、妊娠・出産・産後の現状を総合的に解明することである。現状を変えていくための処方箋を提示する、緊急を要した実践・応用人類学の研究と位置づけられる。現代の妊娠・出産・産後の現状をインタビューも含めた文化人類学の参与観察によって解明し、エスノグラフィーを作成する点に特徴がある。
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研究実績の概要 |
本年はコロナ禍のため、医療機関での調査方法を制限せざるを得なかったが、その中でもコロナ禍のお産について研究成果を発表することができた。 次に分担者の成果を示す。安井・中本・伏見はコロナ禍のお産に関して、妊産婦が一人で受診して医師の説明を聞かなければならないストレスなどを明らかにし、学会誌に投稿した(安井・中本・伏見「コロナ禍のお産―妊産婦と家族にとっての「思いがけないお産」」2021)。木村は日本産科婦人科学会会員に対してコロナ禍の調査を行い、妊婦も産婦人科医師も共に流行地においては非流行地に比べて心的ストレスが大きいことなどを示した(Umazume et al. JOGR 2021 “The physical and mental burden on obstetricians and gynecologists during the COVID-19 pandemic: A September 2020 questionnaire study”)。遠藤は、外来診察に立ち会っていない調査者でも、外来診察後にオンラインでインタビューできるコロナ禍での調査方法を整え、次年度からの準備を行った。松岡は、出産場所として法的に認められている助産所や自宅での出産が危機にさらされている事例を検討し、その背後にある助産所の開業をめぐる法制度を調べ、問題の要因と解決への道筋を検討した。倉田はオンラインを用いて看護師・助産師への聞き取りを開始し、授乳のトラブルなど産後の「思いがけない」事態に対して、産後サポートに特化した助産所などが増えている現状を明らかにした。澤野はアメリカのオクラホマ大学にて研究活動に従事し、若年がん患者や乳がんに特化した学会の研究大会に参加し、あわせて乳がん患者の妊娠・出産に関する研究の準備段階となる情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍で計画した通りに調査を進めることが難しい点もあったが、その代わり、コロナ禍に特化した研究成果を発表することができた。そのため、おおむね順調に進展していると判断した。 安井・中本・伏見は、コロナ禍のお産に焦点をあて、インタビューによる成果をまとめ、コロナ禍で妊産婦が困難を抱えている点を具体的に示した(安井・中本・伏見 2021)。木村は日本産科婦人科学会会員に対して調査を行い、妊婦も産婦人科医師も共に流行地においては非流行地に比べて心的ストレスが大きいことなどを示した(Umazume et al. JOGR 2021)。 コロナ禍は次年度も続くと考えられるため、外来診察に立ち会っていない調査者でも、外来診察後にオンラインでインタビューできるコロナ禍での調査方法を整えた。これらを次年度から実装し、引き続き調査研究を進めていく。
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今後の研究の推進方策 |
本年度はコロナ禍にあり、産科の外来診察に調査者が立ち会い、診察後にインタビューを行う調査を制限せざるを得なかった。しかし、立ち会いの制限がある中でも研究を継続して行えるように、外来診察後にオンラインでインタビューを実施できる体制を整え、2022年度から実装する予定である。なお医療従事者へのインタビューは、オンライン上で行うことができたので、これについては継続して行う。 コロナ禍が続くため、状況を観察しつつ、外来診察に立ち会うことのできる状況になれば、立ち会いの調査を開始し、データの収集に集中する。また、研究成果のまとめ方についても議論していく。 コロナ禍のお産について短報を発表したので、次についても準備を行いたい。
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