研究課題/領域番号 |
19H01399
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
丹羽 典生 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 教授 (60510146)
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研究分担者 |
小林 誠 東京経済大学, コミュニケーション学部, 准教授 (10771826)
渡辺 文 同志社大学, グローバル地域文化学部, 助教 (30714191)
風間 計博 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (70323219)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | レジリエンス / 少数民族 / オセアニア / 移民 / ネットワーク / 紛争 |
研究開始時の研究の概要 |
研究期間のはじめに、図書館及び関係省庁に所蔵されている少数民族に関係する基礎的なデータを精査したうえで、ポスト紛争期における少数民族の対応についてフィールド調査を行う。紛争後のレジリエンスとしてホスト社会との関係の再構築、あるいは海外ネットワークの活用の実態について解き明かす。後者は、グローバルな移民ネットワークによる国際的な影響力の行使も聞き取り調査する。研究メンバーによって集められたデータをもとに4年間議論を重ねることで、レジリエンスが現代社会にもつ可能性の検討を通じてその概念としての意義を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、紛争後社会のレジリエンスをオセアニアの少数民族の事例から分析した。先住民との婚姻による結びつきなどの社会関係資本、グローバルなネットワークの拡大に伴い存在感を増大させる移民コミュニティ、そしてそれらに影響されて刻々と変化するエスニック・アイデンティティなどが比較分析された。レジリエンスに関わる人文社会科学の文献調査に加えて、在フィジーの少数民族、かれらの宗主国、再移住先のオセアニア大国がフィールド調査の地として選定された。その結果、フィジーの先住民族の文化への習熟の度合い、日常の関係性の親密さの度合いによって、紛争後の関係修復の戦略に違いが見られることを示唆した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
紛争後の社会において、いかに争いの当事者が和解できるか。あるいは過去の遺恨を再燃させることなく、関係の維持を図るのかというのは国家間や民族間の対立では基本的な問題点である。本研究では、移民/先住民、グローバル化/土着化という相対立する幅の中で、具体的な人々の行動というミクロな分析からどのようにレジリエンスを試みているかを解き明かした。グローバル化されたヒトの移動は、難民・移民問題、それと相関して生起する排外主義的な動きなど多くの現代的課題を生み出しているが、本研究成果であるオセアニアの少数民族の事例分析を敷衍することで、示唆的な多文化共生への経験的な分析を行うことができる。
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