研究課題/領域番号 |
19H01400
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
飯田 卓 国立民族学博物館, 学術資源研究開発センター, 教授 (30332191)
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研究分担者 |
花渕 馨也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 教授 (50323910)
梅屋 潔 神戸大学, 国際文化学研究科, 教授 (80405894)
中村 亮 福岡大学, 人文学部, 准教授 (40508868)
鈴木 英明 国立民族学博物館, グローバル現象研究部, 准教授 (80626317)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | コミュニティ / 文化伝承 / 実践 / 価値 / グローバル化 / 世界遺産 / 無形文化遺産 / 文化遺産 / 東アフリカ / ローカルな価値 / グローバルな価値 |
研究開始時の研究の概要 |
東部アフリカに位置する4ヶ国において、広義における世界文化遺産の効用やそれをめぐる葛藤などを民族誌的に記述し、それぞれの性格を浮き彫りにするための比較分析をおこなう。また、人間関係をとり結んだり分断したりするという文化遺産の社会的性格をふまえたうえで、研究者の役割などにも留意しつつ、人びとが互いの文化遺産をとおして連帯感を涵養するための条件を明らかにする。たんに事象を観察するだけでなく、異なる国(地域)の文化遺産の情報を意図的に呈示して反応をひき出すという「野外実験」もおこない、閉鎖的な地域主義(ナショナリズム)でなく開かれたコミュニティを築くための方途を確定する。
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研究実績の概要 |
2022年4月9日と2023年3月27日に研究会を開催し、討議をおこなった。新型コロナウィルス感染症の流行にともなって、計画していた「野外実験」を延期せざるを得なかったものの、それに用いる動画映像コンテンツを民族誌映画というしっかりした形で完成でき、今後に活用しやすいかたちに整えた。マダガスカルで撮影した映像をもとにしたこの映画「Sorombe(スルンベ)」は、東京ドキュメンタリー映画祭や日本文化人類学会、クラトヴォ国際民族学映画祭(マケドニア)で上映することができ、好評を得た。アフリカにおける文化遺産を地域外の人びとに伝えるための「教材」にもなりうることが明らかになった。
この映画は、2023年度にケニアでおこなう「野外実験」において活用する予定である。また、ウガンダ共和国で予定していた「野外実験」は、同国から日本へ文化関係者を招聘するかたちで実現した。招聘者をまじえたワークショップにおいては、研究代表者が所属する国立民族学博物館のウガンダ関係資料に関する解説動画を撮影し、同じく「教材」というかたちで成果共有することが可能となった。また、タンザニアにおいておこなった現地調査では、文化遺産に関する問題全般に通じたカウンターパートを見いだすことに成功し、今後の協業にむけて議論を続けていくことになった。
以上に加えて、日本在住のアフリカ出身者の実態調査と、博物館資料を用いた彼らのストーリーテリング支援を開始した。この試みは、日本においてアフリカ文化遺産がどのような意味を持ちうるかというあらたな問いの発見につながった。この問いにいかなる回答がありうるかは、ひき続き考究していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ケニアにおける国民総選挙の煽りを受け、2022年度に完了すべき計画の一部を2023年にもち越さざるをえなくなった。それ以外の計画は順調に進んだ。
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今後の研究の推進方策 |
当初に計画した「野外実験」をケニアにおいておこない、日本でおこなったその成果の公表を進めていく。成果の公表は、ウガンダ共和国からの招聘者を交えたワークショップや日本在住のアフリカ出身者による博物館資料のストーリーテリングの成果公表と併せておこなう予定である。
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