研究課題/領域番号 |
19H01416
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05030:国際法学関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
竹下 啓介 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (60313053)
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研究分担者 |
櫻田 嘉章 甲南大学, 法学(政治学)研究科(研究院), みなし専任教員 (10109407)
道垣内 正人 早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (70114577)
北澤 安紀 慶應義塾大学, 法学部(三田), 教授 (70286615)
井上 泰人 東北大学, 法学研究科, 教授 (90961748)
種村 佑介 早稲田大学, 法学学術院, 准教授 (80632851)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | 国際私法学 / 国際私法 / 国際法学 / 民事法学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,現代の日本の国際私法の基礎が形成された萌芽期(江戸時代末期の日本の開国以降,法例(明治31年法律第10号)の立法がされた前後の時期)の日本の国際私法の全容を解明することを目的とする。中心的には,法例の起草者の一人であった穂積陳重所蔵の文書(以下「穂積文書」という。)の法例関係部分を解読し,従来不分明であった明治31年法例の各条文の成立の経緯・基礎となった議論を解明する。また,開国以降の日本の国際私法に関する議論・明治31年法例立法後のハーグ国際私法会議への日本の加盟に関する議論についても,外交史料等の分析に基づき,明治31年法例立法との関連性を含め,検討する。
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研究実績の概要 |
令和3年度研究としては、ハーグ国際私法会議への日本の加盟に関する研究を進めるために、史料の収集・分析を行った。 具体的には、ハーグ国際私法会議への加盟に関する日本の外交史料について、手書きの崩し字で記載されている文書を翻刻する作業を進め、翻刻された文字データの正確性を担保するために、その内容の分析・検討する作業を行った。また、オランダ政府の日本の加盟に関する文書等が残されていないかを確認するために、オランダ公文書館への出張を行い、調査を行った。その結果として、オランダ政府側の外交文書・史料をまとめた「日本の参加(Deelneming Japan)」と題されたファイルを発見することができた。現時点においては、外交文書・史料の内容の分析を開始したに過ぎず、その内容を明らかにすることはできていないものの、少なくともこのような外交文書・史料の存在自体がこれまで日本の国際私法学において知られていなかったことであるため、このファイルの発見自体が令和3年度研究の大きな成果となったと考えられる。また、関連して、当時、日本の参加を推進するためにオランダ側で尽力していたとされるアッサー氏の手記についても確認することができ、その中には、日本の国際法に関するメモなどがあり、貴重な発見をすることができた。 その他、穂積文書を翻刻したものを出版するための準備作業についても、令和3年度研究としても実施することができた。 また、令和3年度研究においては、ハーグ国際私法会議アジア太平洋週間において研究代表者が報告を行った。同報告は英語で行ったものであり、穂積文書及び日本のハーグ国際私法会議への加盟に関する史料の分析結果を基礎とする報告を行うことで、本研究を基礎とした国際発信を実現することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度研究も研究期間の延長が認められたため、一定の成果を出すことができたが、本研究の全体の進捗状況としては、やや遅れている状況である。 コロナ禍の影響で実施することができなかった海外調査についても、令和4年3月に初めて実施できたものであり、大きな学術的発見につながる調査を実施することができたものの、未だ、オランダ政府側の外交文書・史料の詳細については、検討を開始した段階に過ぎない。特に、オランダ公文書館に当初想定していたよりも多くの外交文書・史料等が所在することが確認されたため、これらの分析に必要となる研究時間を考えると、分析・検討はやや遅れている状況にあるといわざるを得ない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度研究までで当初想定していたよりも多くの萌芽期の日本の国際私法に関係する基礎資料を発見することができたため、令和4年度研究については、これらの史料の内容を確認し、整理することに注力することで、今後の日本の国際私法学での分析の礎となる研究を実現することを目標とする。基礎資料をベースとした研究論文の執筆等も可能な限り、進行させる予定ではあるが、本研究のコアである基礎資料の整理・出版が最も学術的貢献が大きいと考えられるため、これらに焦点を絞ることで、将来の日本の国際私法学会に貢献することができるように尽力する予定である。
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