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刑事裁判における争点整理・事実認定の指導指針となるべき実体法解釈論の研究

研究課題

研究課題/領域番号 19H01423
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分05050:刑事法学関連
研究機関京都大学

研究代表者

安田 拓人  京都大学, 法学研究科, 教授 (10293333)

研究分担者 岡田 幸之  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40282769)
安藤 久美子  聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40510384)
酒巻 匡  早稲田大学, 法学学術院(法務研究科・法務教育研究センター), 教授 (50143350)
小池 信太郎  慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (60383949)
樋口 亮介  東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (90345249)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 交付 (2020年度)
配分額 *注記
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
キーワード責任能力 / 殺意 / 共謀 / 量刑 / 抗拒不能
研究開始時の研究の概要

本研究は、刑事裁判の争点整理における、当事者の主張を整理するための指針を提示することを目的として、①刑事事実認定に際し重視されるべき事情は何かという問いを解明し、②当該事情を理論的に説明しうる実体法理論を再構築する。
そのために、実体法の諸問題を取りあげ、一定の要件を証明するために必要な事実として、判例上、どのようなものが重視されているかにつき分析的検討を行うほか、こうした事実認定に際し重視されている事情につき、それがいかなる命題を立証する意義があるのか、それが理論的に根拠あるものかに関する解明を行うとともに、そうした事情の選別に関する一定の理論的提言を可能ならしめる実体法理論を再構築する。

研究実績の概要

本研究は、刑事裁判の争点整理における、当事者の主張を整理するための指針を提示することを目的として、①刑事事実認定に際し重視されるべき事情は何かという問いを解明し、②当該事情を理論的に説明しうる実体法理論を再構築するものである。
1年目の本年度においては、刑事裁判官と共同研究メンバーとの研究会を2回行い、①につき、刑法上の具体的なテーマに即して充実した意見交換を行った。②については、本研究の問題意識も反映させた形で、「精神の障害と責任能力・量刑の判断」につき、共同研究者メンバーの岡田・樋口・小池による研究成果を刑法雑誌に公表することができた(安田はオーガナイザーとして企画の趣旨を執筆)。
また、安田においては、①②の問題意識をもちながら、最新の重要判例につき年度内に5本の判例研究を表したほか、学生向け判例教材においてではあるが、新たに「実行の着手」「共犯の諸問題」につき、概観解説を表しており、また、樋口においては、共謀の問題につき本年度も顕著な成果をあげている。
以上のほか、第7回日中刑事法シンポジウム「刑法の重要課題をめぐる日中刑事法の実践」において、中国人研究者・台湾人通訳者の招聘に関与し、「責任能力」「賄賂罪」「サイバー犯罪」「横領罪」の諸問題につき、新たな着眼点を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本来は、刑事裁判官と年度末に、上記①の部分に関する総括的な意見交換を行う予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響拡大により行うことができず、その分だけ研究に遅れが出た。
他方、共同研究メンバーによる業績は、十分にあるので、(2)おおむね順調に進展しているものとした。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染症の影響の収束が見込めないため、刑事裁判官との研究会による意見交換は、当面諦めるほかない。
その影響が続く間は、共同研究者それぞれが、予定されたテーマにつき、上記①②の問題意識を踏まえた研究を個人研究の形で推進していくほかはないものと思われる。もっとも、ZOOMあるいはメールを利用し、相互の問題意識を持ち寄ったり、忌憚のない意見交換を行ったりする機会は適宜確保していきたい。
安田の場合は、次年度においては、「実行の着手」につき論文を書く予定であり、その際にこうした問題意識をふまえたものとできるよう、努力を重ねる所存である。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書

研究成果

(13件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 図書 学会・シンポジウム開催

  • [雑誌論文] 被害者が解放後に借金全額を肩代わりして支払う場合における強盗罪の成立に必要な暴行・脅迫の程度2019

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 463 ページ: 138-138

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 輸入する物品が金塊であることの認識がある場合における覚せい剤営利目的輸入罪の故意2019

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 465 ページ: 134-134

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 交番の警察官に対し違法薬物を所持した犯人が逃走を図ったと誤信させて被告人を追跡させる等した行為に偽計業務妨害罪の成立が認められた例2019

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 467 ページ: 131-131

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 準強制性交等罪における抗拒不能の判断2019

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 469 ページ: 138-138

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 内縁関係ある者による不法残留罪の幇助の成否2019

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 471 ページ: 142-142

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 企画の趣旨 (特集 精神の障害と責任能力・量刑の判断)2019

    • 著者名/発表者名
      安田拓人
    • 雑誌名

      刑法雑誌

      巻: 58(2) ページ: 293-295

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 責任非難の構造に基づく責任能力論2019

    • 著者名/発表者名
      樋口亮介
    • 雑誌名

      刑法雑誌

      巻: 58(2) ページ: 313-329

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 特殊詐欺における共謀認定2019

    • 著者名/発表者名
      樋口亮介
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 91(11) ページ: 61-66

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 精神障害と量刑判断―犯情評価をめぐって2019

    • 著者名/発表者名
      小池信太郎
    • 雑誌名

      刑法雑誌

      巻: 58(2) ページ: 330-343

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] 精神科医から見た法律家が考えるべき問題2019

    • 著者名/発表者名
      岡田幸之
    • 雑誌名

      刑法雑誌

      巻: 58(2) ページ: 296-309

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [雑誌論文] ICD-11:パーソナリティ障害と秩序破壊的または非社会的行動症群―精神病理学的視点の再考2019

    • 著者名/発表者名
      安藤久美子
    • 雑誌名

      日本社会精神医学会雑誌

      巻: 28 ページ: 147-158

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] 判例プラクティス刑法Ⅰ総論[第2版]2020

    • 著者名/発表者名
      成瀬幸典・安田拓人編
    • 総ページ数
      470
    • 出版者
      信山社
    • ISBN
      9784797226805
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会・シンポジウム開催] 第7回日中刑事法シンポジウム2019

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-01-27  

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