研究課題/領域番号 |
19H01436
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分05070:新領域法学関連
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
谷口 洋幸 青山学院大学, 法学部, 教授 (90468843)
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研究分担者 |
國分 典子 法政大学, 法学部, 教授 (40259312)
松井 直之 愛知大学, 法務研究科, 准教授 (60468858)
山下 梓 弘前大学, 男女共同参画推進室, 助教 (60762094)
鈴木 賢 明治大学, 法学部, 専任教授 (80226505)
廣江 倫子 大東文化大学, 国際関係学部, 准教授 (90361849)
谷口 真由美 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), 企画・研究部, 非常勤研究員 (90388653)
金 成恩 立命館大学, 立命館グローバル・イノベーション研究機構, 助教 (00723884)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | LGBT / 東アジア / 同性婚 / 性別変更 / 人権 / 国際人権法 / 比較法 / 国際法 / 法政策 / 国際比較 / 差別禁止 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は日本、韓国、中国、台湾、香港を対象に、①5つの国と地域におけるLGBT法政策の歴史と現状について、立法状況・裁判例・行政施策をもとに、網羅的に検証する。この実証研究から、欧米を前提としない東アジア的な法政策の展開を明らかにする。さらに、その展開の②内的要因(国内裁判、市民運動、経済状況、著名人の活躍など)と③外的要因(外国法や国際基準が及ぼした影響の有無)を掘り下げることで、既存の国際比較研究に新たな基軸を提供し、以て、世界規模でのLGBT法政策の進展に貢献する。
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研究実績の概要 |
東アジア諸国のうち対象とする韓国(主に國分が担当)・台湾(主に鈴木・松井が担当)・中国(主に鈴木・松井が担当)・香港(主に廣江が担当)、日本(主に谷口(洋)・谷口(真)・山下が担当)についてLGBT関連の法政策および判例の現状を調査・分析し、それぞれの国と地域の現状と課題に関する比較研究成果を行った。比較したテーマは、(a)同性同士の関係性に関する法的保障、(b)性別記載の変更に関する法政策、(c)性的指向や性自認にもとづく差別禁止に関する立法・判例状況の3点である。 それぞれの国と地域において、特に裁判例を中心とする変化が顕著であることが確認された。たとえば、韓国における性別記載の変更条件に関する裁判例の蓄積(ただし、韓国は変更要件そのものが法律では定められていないという特徴もある)、台湾における婚姻平等を後押しした大法院解釈やその後の婚姻平等に関連する裁判例の蓄積、香港における海外での同性同士の婚姻の有効性に関する判例、日本における不貞の慰謝料請求に関する同性同士の事実婚としての解釈などである。一方、それらの裁判例が法政策に与える影響については、それぞれの国と地域の統治制度や社会制度の違いもあり、ひとつの軸での比較は難しいことも明らかとなった。また、それぞれの国と地域において、諸外国、特に欧米諸国での法政策は裁判例の動向が多く参照され、その過程では実務家を含めた市民社会の連帯が大きな役割を果たしていることも明らかとなった。一方、国際人権法の議論については、台湾や香港のように法政策への取り込みに積極的な場合もあれば、日本や韓国のように消極的な態度がみられる場合もあり、東アジアにおける国際人権法の位置づけに大きな違いも確認できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
LGBT関連の法政策および判例を比較検討する過程において、当初は諸外国より研究者や実務家、市民社会の代表者らを招聘した国際シンポジウムを予定していたが、COVID19の感染拡大に収束がみえない中で、当初の予定を大幅に変更せざるを得なくなった。しかしながら、オンラインを活用した開催を検討した結果、同時通訳を入れた連続講座が実施でき、研究成果の社会への発信という目的も果たすことができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに得られた成果を踏まえて個別に研究論文や研究発表を行うことを予定している。あわせてこれまでの研究成果をまとめた国際シンポジウムの対面開催を予定している。また、個別の論文や研究発表、これまで実施したイベントやシンポジウムをまとめた書籍の刊行も企画している。
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