研究課題/領域番号 |
19H01464
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分06020:国際関係論関連
|
研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
中西 久枝 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (40207832)
|
研究分担者 |
中屋 昌子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (30838850)
西 直美 同志社大学, 研究開発推進機構, 共同研究員 (50822889)
山根 聡 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 教授 (80283836)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
14,560千円 (直接経費: 11,200千円、間接経費: 3,360千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2019年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
|
キーワード | トランスナショナル / オートノミー / ジェンダー / アイデンティティ / 国際移動 / ムスリム女性 / 移民 / 労働者 / イスラーム / トランスナショナル関係 / 女性労働者 / ディアスポラ研究 / 自己裁量権 / イスラーム法 / 平和的共生 |
研究開始時の研究の概要 |
世界の総人口の5人に1人がイスラーム教徒(ムスリム)である今日、ムスリム移住労働者はグローバルに増加している。彼らはホスト社会での市民権の有無に拘わらず、人的、社会的ネットワークを構築しつつ、「共生の生存空間」を創造している。本研究は、ムスリム女性の移住労働者に焦点を合わせ、ムスリム女性のオートノミーが移住によってどう変化したかを明らかにする。一般的に「ムスリム女性の移動は、イスラーム法やイスラーム的規範に拘束され不自由である」と言われているが、実際にそうなのであろうか。本研究は、究極的には、グローバル社会におけるムスリムと非ムスリムの平和的共生への手がかりとなる学際的研究の構築を目指す。
|
研究成果の概要 |
イスラーム世界の女性が国際的に移動し、ホスト社会で労働することによって自己裁量権をどのように拡大したかという問いに対し、4つの事例研究を通じて、自己アイデンティティの変化と自己裁量権のあいだの関係性を分析した。その結果、移住前の教育レベルや移住の動機付けや移住先の社会的絆及び社会資本が女性移住労働者のオートノミーの拡大・縮小に影響していることが判明した。女性たちはそれぞれの移住先において、ムスリムとしての意識を他のアイデンティティの基軸と併存させつつ、時としてムスリム時として民族性、時には出身地域をもとにした相互補助の精神によってサバイバル・ストラテジーを展開している実装が明らかになった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ムスリム女性移住労働者についての固定観念を打ち破り、個人あるいは集団としての移住プロセスがいかにムスリムとしての自己認識を強化したり弱めたりしつつ、自己の生活圏を拡大しているか、あるいは縮小しているかを具体的に描いた。ムスリム人口が世界的に増え続けているなか、ムスリム女性の自発的な動態と活動を「労働」という側面から捉えることでとかく他者によって決定されがちなムスリム女性像のイメージを払拭することによって、本研究は、世界的に増えているムスリムと非ムスリムのあいだの共生のありかたを提示することを目指した。
|