研究課題/領域番号 |
19H01469
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
川越 敏司 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 教授 (80272277)
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研究分担者 |
松八重 泰輔 中央大学, 経済学部, 助教 (00823783)
糟谷 祐介 神戸大学, 経済学研究科, 講師 (20792419)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | マッチング理論 / ゲーム理論 / 実験経済学 / 不完備情報 / マーケット・デザイン / マッチング / 情報収集 / 内生的選好 / コミットメント / 選好の内生化 / 学校選択 / 情報収集コスト / 選好内生化 |
研究開始時の研究の概要 |
マッチング相手の属性等に関する情報が不完備であるために、自分自身の選好がまだ定まっていない段階で、各主体は面談等のコストのかかる情報収集活動を行い、その情報に基づいて選好が事後的に改訂されうるような環境を考える。そのような環境の下で最適なマッチング方式を理論・実験的に検討する。この場合、情報収集コストがかかるため、各主体はどの相手から先に面談に行くか、いつ情報収集活動を終了するかといった動学的問題に直面する。また、受入側もどのタイミングで相手の受け入れを確約するかというコミットメント問題に直面する。こうした問題を視野に入れたマッチング方式の設計を行い、実験室実験を通じて理論を検証していく。
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研究成果の概要 |
まず、学校選択制マッチングにおいて、生徒に対する優先順位が不完備情報である場合のモデル化を行った。その際、生徒側にはコストのかかるサーチを行えば自分自身の優先順位を知ることができる場合とできない場合を理論的に考察した。 次に、実験室実験においては、生徒に対する優先順位が完備情報および不完備情報でサーチ機会がない場合とある場合の3通りについてDA方式とIA方式を比較した。IA方式における方がサーチを選ぶ割合が有意に高く、いずれの情報上の条件の下でも、DA方式における方が真実表明の比率は高かった。また、どちらの方式についても、不完備情報の場合の方が完備情報の場合に真実表明の比率が高いことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、生徒の学校に対する選好順位、学校側の生徒に対する優先順位や定員については完備情報であると仮定されてきた。近年、生徒の選好順位については不完備情報である場合を考察する研究があるが、その他についてはまだ研究がない。 そこで、本研究では、優先順位が不完備情報であるという状況を考察した。現実にも、入学試験の成績など優先順位に関する情報は不完備情報であることが多く、生徒は模擬試験を受けるなどのコストを支払って優先順位に関する情報を得ている。こうしたより現実的なマッチング状況において、生徒が無駄にコストを支払ってしまうことを防止するにはDA方式の方が優れていることが明らかになった。
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