研究課題/領域番号 |
19H01471
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07010:理論経済学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
河村 耕平 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (30787817)
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研究分担者 |
清水 崇 神戸大学, 経済学研究科, 教授 (80323468)
本領 崇一 同志社大学, 経済学部, 准教授 (40835667)
三浦 慎太郎 神奈川大学, 経済学部, 准教授 (80632794)
定兼 仁 京都大学, 経済研究所, 助教 (30804900)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 戦略的情報伝達 / チープトーク / 説得ゲーム / マスメディア / 情報伝達 / 情報開示 / シグナリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は主に次の2点にまとめられる。1.個人間、組織や市場、またはオンラインニュース等に見られる様々な戦略的情報伝達について、必ずしも合理的ではないプレイヤーの存在を考慮に入れたゲーム理論分析を経済実験と並行しながら進め、情報伝達の基礎理論と応用理論の双方に貢献する。2.こうした研究成果を更に発展させる契機として日本国内を拠点とする情報伝達理論の研究者が参加する定期ワークショップを創設し、研究者同士のネットワークを構築して連携を強化する。さらにこのワークショップに海外から当該分野の有力研究者を招聘して研究交流することにより、研究の推進と発信を強化する機会を日本の研究者に広く提供する。
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研究実績の概要 |
2021年度は海外在住の研究者によるオンライン研究会の定期開催を定着させたが、渡航制限がやや緩和されたものの、本研究課題の主目的の一つである海外研究者の招聘は行うことができなかった。しかし翌2022年度から本研究課題による研究会を対面に移行し、国内の研究者の連携を深化させるとともに、関連研究課題に取り組むカナダの研究者グループとのオンラインでの研究交流を継続した。そして米国の研究者を招聘し、特別講義、研究報告を通して国際研究ネットワークを拡大させた。
研究代表者は主に動学チープトークゲームについての研究に取り組んだ。メディアによる情報発信の信頼性の動学分析においては、メディア企業同士の競争を取り入れた新たなモデルを構築し、メディア企業の競争は必ずしも発信される情報の信頼性を高めない、という結論を得た。情報の受け手が、情報の送り手に対して、情報を受け取るごとに料金を支払う場合、その価格付けや情報の信頼性が環境によってどのように変化するかを分析する動学モデルの分析においては、価格と情報の信頼性、及び情報の受け手が情報を受け取る回数との相互関係に非単調性があるという結果を導出した。その他、複数均衡が存在する投票モデルの最も効率的な均衡の導出に関する論文において、主要命題の証明の大幅な改善を行った。
研究分担者による成果としては、企業組織における中間管理職の役割を、経営者(役員)と一般従業員との安価かつ正確なコミュニケーション手段として定式化した研究、それぞれが私的情報を持つ複数エージェントからなるチームに対する権限委譲の効率性を、チーム内のエージェント間の利害対立及びコミュニケーションのあり方から分析した研究、複数部門を持つ組織の意思決定が集権的か分権的に行われるべきかを、事業の多角化や既存事業に対するイナーシャ(惰性)といった要素を中心に分析した研究、が挙げられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、本研究課題において当初予定されていた海外研究者招聘による研究交流の殆どが不可能になった。しかし2022年度には研究者招聘を行い、研究会や研究交流の機会には多くの参加者を得て、オンラインに加えて対面による研究ネットワークの拡大も実現しつつある。研究代表者、研究分担者による研究については、研究報告や出版を含めて概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
渡航制限が十分に緩和されたため、海外研究者招聘や海外における研究報告を積極的に行うことで、当初計画に即した研究交流の場を創出し、国際研究ネットワークの形成を引き続き行う。同時に対面による招聘や研究報告と並行して、オンラインによる研究報告、研究交流の機会を継続的に提供する。
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