研究課題/領域番号 |
19H01476
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 綾 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (20537138)
|
研究分担者 |
李 根雨 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 社会科学領域, 任期付研究員 (80836643)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
|
キーワード | 情報伝播 / 社会ネットワーク / 農業外部性 / 無作為化比較対象試験 / ベトナム / 無作為化比較対照試験 / 水質 |
研究開始時の研究の概要 |
途上国における農業知識の普及は、伝統的には政府の普及員による指導が主であったが、近年は農家間の社会ネットワークを通じた情報伝播に注目が集まっている。本研究は特に農業の外部性に着目し、農業における外部性の有無が農家の情報伝達の判断に影響を及ぼすかを定量的に検証する。事例として、ベトナムのエビ養殖産業を対象とし、養殖池のGIS情報をベースとした空間経済学の手法と社会ネットワーク分析の手法を利用して、農家が誰に情報を提供するのか、グループの初期条件によって伝播方法に違いがあるか等に関して分析する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、農家間に存在する農業外部性と農家の社会ネットワークが、農業技術に関する情報伝播や技術導入、パフォーマンスに与える影響をベトナム南部のエビ養殖産業を対象に分析した。その結果、エビの病気の発生率における地理的クラスターが確認され、水路を介しての外部性の存在が示唆された。また、ある農家の周辺農家の池での病気発生率は、その農家の池での病気発生率にプラスの影響を与えることも確認された。周辺農家の導入するプラクティスは、農家の導入するプラクティスにも影響しており、ピア効果の存在も確認された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、農家間に存在する農業外部性と農家の社会ネットワークを介する技術導入におけるピア効果ともいわれる外部性が、農家の行動やパフォーマンスに与える影響を同時に考慮した点に貢献がある。それぞれが与える個別の影響はこれまでも分析されてきたが、エビの陸上養殖という水路を介しての農業外部性と農家の社会的つながりの両方が重要な事例を取り上げ、適切な一次データを収集したことで、これらの効果を同時に分析することができた。外部性が重要な役割を果たすセクターでは、これを考慮した技術普及の方法を採用することが重要であることが確認された。
|