研究課題/領域番号 |
19H01500
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
土居 丈朗 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (60302783)
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研究分担者 |
広田 啓朗 武蔵大学, 経済学部, 教授 (10553141)
別所 俊一郎 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 准教授 (90436741)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 地方財政 / 財務書類 / 公会計改革 / 財政ルール / 個人住民税 / 財政健全化 / 地方税 / 地方分権改革 / 公会計 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の概要は,財政を規律付ける仕組みとして何が有効か,有効性を左右する政治的・社会経済的要因は何か,その程度はどれほどか,ということである.そのために本研究では日本の地方政府を題材に採る.日本では中央・地方政府とも公債残高が累増し,その政治的原因についても多く論じられてきたが,財政を規律付ける仕組みの効果や副作用について学術的に検討した研究はそれほど多くない.本研究では,説明責任や情報公開に関して地方公会計の整備,財政ルールの回避に関連して予算と決算の乖離に注目する.
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研究成果の概要 |
本研究は、財政を規律付ける仕組みについて、日本の地方自治体を題材に計量分析等を行うことを目的に実施した。地方公会計改革における新たな財務諸表の作成が、市町村の支出面に与える影響を分析した結果、財務諸表の作成は、歳出総額に影響を与えないが扶助費にマイナスの影響を与えることが明らかになった。また、地方税である個人住民税が家計に与える影響について、日本家計パネル調査を用いてマイクロシミュレーション分析を行った。2010年代の一連の個人所得課税改革が世帯可処分所得に与えた影響を分析し、所得再分配効果はあったが小さいことが明らかとなった。この結果は、今後財政健全化に向け必要な税制改革に示唆を与える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
財政赤字が常態化し政府債務が累増しているわが国において、財政健全化に向けた効果的な取組について、次のような学術的意義と社会的意義があったと考えられる。学術的意義としては、2010年代までに実施された地方公会計改革の効果を適切な分析手法を用いて、国際的な査読誌に掲載される形でその効果を明らかにした。また、2010年代に実施された一連の所得税改革が、個人住民税等を通じて与えた所得再分配効果を、初めて明らかにした。これは、今後の財政健全化のために必要な税制改革を考える上で有益な示唆を与えるものとして、社会的に意義があると考えられる。
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