研究課題/領域番号 |
19H01503
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07050:公共経済および労働経済関連
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
焼田 党 南山大学, 経済学部, 教授 (50135290)
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研究分担者 |
宮澤 和俊 同志社大学, 経済学部, 教授 (00329749)
大森 達也 中京大学, 総合政策学部, 教授 (70309029)
平澤 誠 中京大学, 経済学部, 教授 (50706801)
北浦 康嗣 法政大学, 社会学部, 教授 (90565300)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,990千円 (直接経費: 12,300千円、間接経費: 3,690千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2019年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
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キーワード | 介護サービス / 人口高齢化 / 高齢者介護 / 少子化 / 高齢者 / 介護 / 年金 / 人的資本 / 高齢社会 / 介護政策 |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会における高齢者福祉、具体的には高齢者の介護について、家族による介護、市場での民間介護保険の可能性、および公的な介護保険サービスの供給が考えられる。それぞれが特徴を持つが、本研究ではそれらの間における適切な組み合わせに関する研究を行う。従来から、実証的な研究や介護の実情に関する研究はかなり蓄積されていると考えているが、経済理論的な分析はまだそれほど多くは行われていないと判断している。本研究では、家族の経済学あるいは家庭の経済学を基盤として、高齢社会特に介護の問題を経済理論的に分析し、家庭、市場そして公的機関の間の役割分担を模索する。
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研究成果の概要 |
高齢化社会における大きな問題である高齢者介護の供給について、まず各家庭あるいは個人が利他的に親の介護を担う世代重複モデルを構築し、そして資本蓄積に伴う成長過程において、賃金率の上昇に伴い、最初は家庭、次に保険市場、そして政府にその役割が変化しうることを示した。子どもにとって介護時間の機会費用は賃金率であり、賃金率の上昇は介護から市場労働への代替を引き起こす。要介護の親にとって最小限の介護サービスが生存にとって必要であり、各家庭で利他的に供給される介護サービスが不足する場合には、まず、相互保険によって、さらには政府によって公的に介護サービスが供給されることが社会的に支持される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで介護サービスの供給がどのようになされるかについて、統一的な議論がなされてこなかった。民間の介護保険市場規模が小さいことは多くの文献で指摘されてきた。また、家庭内で供給されるinformalな介護サービスの供給や公的な(formal) 介護サービスの供給については、理論的には別々に議論されることが多かった。これに対して、本研究では経済成長モデルの理論的枠組みの中で、経済発展に伴って経済発展の初期には家庭で、やがて保険の形で、そして、資本蓄積が賃金率を十分に上昇させると、政府による公的介護サービス供給が合理的でありうることを示した点で新しい貢献をもたらしたといえる。
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