研究課題/領域番号 |
19H01514
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07070:経済史関連
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
平井 健介 甲南大学, 経済学部, 教授 (60439221)
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研究分担者 |
上田 貴子 近畿大学, 文芸学部, 教授 (00411653)
竹内 祐介 東京都立大学, 経営学研究科, 准教授 (30711238)
古田 和子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 名誉教授 (20173536)
瀬戸林 政孝 福岡大学, 経済学部, 教授 (10383952)
工藤 裕子 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (40827101)
小林 篤史 京都大学, 東南アジア地域研究研究所, 助教 (40750435)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,050千円 (直接経費: 8,500千円、間接経費: 2,550千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 経済史 / 阪神 / アジア / 雑貨 / 大阪 / 神戸 / 帝国日本 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、阪神雑貨がアジア諸地域(台湾、朝鮮、満洲、中国、東南アジア)で引き起こした社会経済的変化について、人々の生活・思考様式の変容(新しい様式を獲得する「歓び」や「安心」)、工業化の原動力(輸入代替工業化・労働集約的工業化)、経済的交流と政治的軋轢の相互作用(日貨排斥運動・植民地支配の手段)をキーワードとして分析することを目的としている。本研究を通じて、「アジア経済にとっての阪神」の重要性が明らかとなる。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、阪神で生産された雑貨の流入によって、アジア諸地域ではどのような社会経済的変化が引き起こされたのかを解明するため、人々の生活・思考様式の変容、工業化の原動力、経済的交流と政治的軋轢の相互作用などについて分析を進めていくことにあった。この目的の下で、日本植民地・勢力圏については、台湾への雑貨商店の進出、朝鮮へのマッチ移出、満洲における売薬商を取り上げ、中国については、日本製の石鹸及び綿製品の需要、東南アジアについては、英領マラヤ・シンガポールへの日本製マッチの輸出と輸入代替化、蘭領東インドへは日本製雑貨を取引する華商の活動を取り上げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、阪神地域を、アジア経済のなかに位置づけなおすことである。上海が中国の経済先進地域であるとともに、東アジアのディストリビューションセンターでもあったように、雑貨の産地である阪神もまたアジア経済において重要な役割を担った地域であったと考えられるが、こうした視点からの研究は進められてこなかった。また、経済史・文化史・政治史の垣根を越えることである。雑貨は人々が「文明」的な新しい生活・思考様式を獲得したことを表象するツールという文化的要素を含んでいるほか、帝国日本の拡張を日常生活のレベルで後押しする手段であり、日貨排斥運動や愛国貨運動の対象であったという政治的要素も含んでいた。
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