研究課題/領域番号 |
19H01531
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分07080:経営学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
出見世 信之 明治大学, 商学部, 専任教授 (60248961)
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研究分担者 |
小山 嚴也 関東学院大学, 経営学部, 教授 (60288347)
谷口 勇仁 中京大学, 経営学部, 教授 (60313970)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,340千円 (直接経費: 11,800千円、間接経費: 3,540千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 企業不祥事 / コンプライアンス / 組織風土 / 企業倫理 / 組織学習 / 風通しの良い組織風土 / 内部通報制度 / コーポレート・ガバナンス / 組織文化 / 日本型経営 / 風通し / 企業の社会的責任 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、企業不祥事を防止するための「企業不祥事防止のマネジメント」について、日本企業を対象とした詳細な定性的調査に基づき、実証的に解明しようとするものである。 その際、実務家の間で企業不祥事防止のキーワードとなっている「風通しの良い組織風土(従業員の倫理的問題に対する開示・指摘行動を促進する風土)」に注目し、この風土の構成要素と先行条件、さらには企業不祥事との因果関係を検討することにより、企業不祥事防止のマネジメントへの提言を試みる。
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研究実績の概要 |
2021年度は、COVID-19の影響により、当初、予定していた対面での活動をオンラインに切り替えて行った。5月、7月にオンラインで研究会を行い、オンラインで協力企業に対して、インタビュー調査を行うことを決め、インタビュー項目を検討した。その結果、協力企業においてもCOVID-19の影響を受けていることから、リモートワークの全社的な影響、コンプライアンス活動に対する影響について、確認することになった。8月には、協力企業A社のサステナビリティ推進部、12月に協力企業B社のコンプライアンス室に対して、オンラインでインタビューを行った。全社の出社率は、A社においては50%、B社においては30%であり、それぞれの部局においては、全員が一堂に出社することはないことを確認した。職場の風通しに関しては、オンライン上の「立ち話」機能を利用するなどして、コミュニケーションの変化に対応しようとしている。コンプライアンス研修については、A社においては、オンデマンドで実施しており、B社においてはオンデマンドに加え、一部管理層についてはリアルタイムでのオンライン研修を行っていた。なお、A社においては、オンデマンドの資料を確認後、満点を取るまでテストを受けることを求めていた。B社では、リアルタイムでのオンライン研修において、グループディスカッションを行っていたが、対面での実施とは異なり、講師が討論の様子を見渡すことができないので、各グループの討論内容全体を把握できないことが課題として指摘されていた。コンプラアンス相談については、A社においては、リモートワーク特有の相談も行われたことが確認されたが、B社においては、相談件数が減少しているとのことであった。COVID-19の影響について、2社の状況を確認することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、2021年度においては、対面にて研究者や実務家との意見交換を行い、分析枠組の精緻化を図ることを予定していた。オンラインではあるが、研究会を行い、(1)「風通しの良い組織風土⇒不祥事防止のプロセス」と、(2)「不祥事防止のマネジメント⇒風通しの良い組織風土」という2つのプロセスに関する仮説命題の検討を行った。一方で、協力企業の本社、コンプライアンス担当部署のみならず営業拠点(海外支社を含む)・製造拠点・研究所において、様々な階層・部署に属する人を対象に徹底的なインタビュー調査に基づく定性的事例研究を実施し、(1)「風通しの良い組織風土⇒不祥事防止のプロセス」と、(2)「不祥事防止のマネジメント⇒風通しの良い組織風土」という2つのプロセスに関する仮説命題を導出・精緻化することを予定していたが、協力企業2社のコンプライアンス担当部署に対して、オンラインでのインタビューを行ったのみである。しかしながら、COVID-19の影響は、当初の研究計画で想定しなかったことではあるが、これについて、新たに研究対象に加え、検討することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度までに、文献を渉猟することについては、精力的に行うことができた。これらの成果について、研究会を通じてまとめ、(1)「風通しの良い組織風土⇒不祥事防止のプロセス」と、(2)「不祥事防止のマネジメント⇒風通しの良い組織風土」という2つのプロセスに関する仮説命題を導出し、精緻化する。(1)に関しては、開示と指摘という具体的内容から、①コンプライアンス上の問題の早期発見・対応と、②コンプライアンス上の問題に対する組織学習を可能にすることで、企業不祥事の防止に貢献しうることを確認している。(2)に関しては、「風通しの良い組織風土」の先行条件として、①報告と指摘の頻度と内容風通しのよい組織風土の定義の部分で用いる、②コンプライアンス教育プログラムの有無・内容・形式が影響しうることを確認した。一方で、インタビュー調査をオンラインで代替して実施したが、対面でのインタビュー調査と比べると、インタビュー対象の表情や文脈を十分に読み取ることができないため、対面での調査が不可欠であると考えている。COVID-19の状況にもよるが、可能であれば、次年度以降、対面での活動を実施し、最終年度を1年延長することを前提にして、全体の計画の見直しを図る。
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