本研究では、企業の競争有意の源泉となる資産を、有形・無形、理性的・感覚的の軸で分類する。そして、知的資産と心的資産に着目して資産を再定義し、その測定や開示法を検討することを目的とする。知的資産とは、知財や製造ノウハウやブランドなどの無形の資産を活用し、競争力優位を高めていく働きかけである。物的資産や金融資産の対となる無形資産が、将来の企業経営の根幹を握っているとも言われている。一方、本研究では、これまで明確に概念化されてこなかった心的資産に研究対象を広げることによって、企業が競争優位性を獲得するために活用可能な資産を発見し、そのための経営戦略を体系的に明らかにできる。
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