研究課題/領域番号 |
19H01555
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
麦倉 哲 岩手大学, 教育学部, 嘱託教授 (70200235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
12,870千円 (直接経費: 9,900千円、間接経費: 2,970千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 戦争文化財 / 戦争災害 / 集団自決 / 戦災犠牲死 / 集団強制死 / 災害検証 / 災害伝承 / 生命の格差 / 処刑死 / 命の格差 / 伝承 / 生きた証 / 文化財 / 犠牲死 / 戦災の検証 / 検証 |
研究開始時の研究の概要 |
一人ひとりの戦災犠牲者の生きた人生の質を明らかにし、犠牲者の生きた証と、犠牲死者の死の状況、遺族や近親者の戦中・戦後史を明らかにする。島での犠牲死を解明することが、犠牲となった故人の尊厳を回復につながることを明らかにしたい。 研究の成果は、比喩的であるが、戦争の犠牲者に伝わるものにしたい。無念の死を遂げた戦争の犠牲者に対して、故人がどのような状況で、どのような心情で末期に直面していたのかを明らかにし,その心情を共感的に理解し、故人の供養と尊厳の回復のために、手向けられるような記録であり、文化的な資源に仕上げたい。
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研究成果の概要 |
研究計画の通り、戦争体験者約100人の聴き取り調査を実施した。調査で明らかにしたのは、戦争体験者の証言を通して、戦争犠牲死者の生きていた様子と犠牲となった状況である。戦争による犠牲死の検証なくして戦争の研究にはならない。本課題は犠牲死者の多様は死を明らかにし、そこに生命の格差があることを解き明かすことができた。戦争犠牲死を戦争文化財として継承する研究の道が開けたといえる。 研究の成果は、5本の学術論文に著し、1つの論考にし、学会誌の巻頭言で叙述し、8回の学会報告をし、1回の学会ラウンドテーブルの話題提供者となった。また、渡嘉敷村の文化財委員としても貢献した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦争における犠牲死を災害社会学の視点でとらえた。沖縄県渡嘉敷村における戦災死の検証を徹底した。これまでの犠牲死に関する調査は不十分であった。そこで、戦災死を防ぐ対策の欠如に由来する犠牲死の累積という観点から、実態解明をした。一般の戦争研究では、個々の死の検証の視点が脆弱で、戦災犠牲死を防止する対策へと到達しえない。 本課題では、戦争における死のリスクにおいて明確な格差が存在していること、日本において戦争で死ぬことを要請する文化的下地があり、権限の上位にある者も最後には死ぬ前提なので下位の者の生命を尊重することができない。一人ひとりの戦災犠牲死の記録と検証結果を文化財として継承する道筋を開いた。
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