研究課題/領域番号 |
19H01558
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡邊 健 京都大学, 教育学研究科, 教授 (40356209)
|
研究分担者 |
平井 秀幸 四天王寺大学, 人文社会学部, 准教授 (00611360)
西本 佳代 香川大学, 大学教育基盤センター, 准教授 (20536768)
竹中 祐二 北陸学院大学, 人間総合学部(社会学科), 准教授 (40631578)
相良 翔 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (40736469)
藤間 公太 国立社会保障・人口問題研究所, 社会保障応用分析研究部, 第2室長 (60755916)
都島 梨紗 岡山県立大学, 保健福祉学部, 講師 (70779909)
山口 毅 帝京大学, 文学部, 准教授 (80459388)
相澤 育郎 立正大学, 法学部, 助教 (90715393)
宇田川 淑恵 東京大学, 東京カレッジ, 特任研究員 (90886912)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
16,120千円 (直接経費: 12,400千円、間接経費: 3,720千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2019年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
|
キーワード | 社会学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、非行からの離脱の具体的態様(離脱を促したり困難にしたりする諸要因)を明らかにすることを主目的とする。第一に、批判的犯罪学と呼ばれる研究群の知見に基づいて、離脱をめぐる諸課題について、理論的・規範的な検討を行う。第二に、非行からの離脱プロセスの態様を探るために、少年院出院者、元非行少年に対する就労支援に関わる当事者へのインタビュー調査を行う。第三に、非行からの離脱における規範(望ましい離脱のあり方)の形成・発展過程を明らかにするために、新聞・雑誌記事の内容分析を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では非行からの離脱について理論的・実証的な検討を行った。理論的検討により「非行からの離脱の態様」という問いの設定自体がはらむ問題性を追究することは不可欠であるとの結論に至った。フィールド研究からは、Laub and Sampson(2003)等の先行研究と整合する部分としない部分の両方が見いだされた。女子少年の離脱において、出産・育児に関するトピックスが語りの重要な資源となっていること、「子どものために」というロジックが作用することで彼女らが福祉的支援を受ける機会をもたらす面があることがわかった。言説研究からは、立ち直りへの支援が家族主義と就労規範のもとでなされていることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的な意義は2点ある。第一に「批判的犯罪学」と呼ばれる研究群の知見に準拠している点である。批判的犯罪学とは、ラベリング論等の流れを汲んで、犯罪・非行現象の個人化を明確に否定し、犯罪・非行問題を社会構造やその変革と関連づけて考察しようとする学的潮流のことである。非行からの離脱に関してこのような観点に立った学究は、国内では例がなかった。第二に、非行からの社会復帰のプロセスを歩んでいる人びとへの縦断的な(同一の対象者に対して繰り返し行われる)調査を実施したことである。なお、再犯防止に対する政策的な注目の集まる今日において、この研究は実践的な意義も大きいと思われる。
|