研究課題/領域番号 |
19H01564
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08010:社会学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
多田 光宏 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (20632714)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 方法論的ナショナリズム / 言語社会学 / 国民国家 / 世界社会 / 知識社会学 / 社会学史 / グローバリゼーション / 国語 / 言語 / 社会学理論 / ナショナリズム |
研究開始時の研究の概要 |
世界社会時代に相応しい新しい社会学的言語観を確立すべく、研究代表者の従前の成果を発展継承させつつ、主に文献精査により、研究期間の前半ではアルフレート・シュッツやタルコット・パーソンズなど戦中~戦後期の社会学者、後半ではピエール・ブルデュー、ユルゲン・ハーバマス、ニクラス・ルーマンなどポスト戦後期の社会学者について、その言語観と社会的背景を明らかにする。必要に応じて海外アーカイブ等で資料収集も行う。
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研究成果の概要 |
本課題では戦後社会学を主導した理論家たち(シュッツ、パーソンズ、ブルデュー、ハーバマス、ルーマンら)の言語観、またそれらが形成された社会背景の解明に取り組んだ。大まかに言って、パーソンズやハーバマスら規範論者は人びとが重要なメディアとして同一言語を共有することを自明とし、シュッツ、ブルデュー、ルーマンらは、国民社会への距離観から、言語の理論的位置を相対化する傾向がある。この知見の確証のための研究を継続予定である。なお本課題4年間(2019~2022年度)で、関連テーマも含め、英語論文4本(うち著名な国際誌の査読付論文3本)、海外大学招待講演2本、国際学会発表1本(査読付)などで成果公刊した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、これまでほとんど検討されてこなかった社会学理論の言語概念の内実、またその時代拘束性を明らかにした。従来、社会学理論の研究では、戦後の安定的な国民社会をモデルに、人びとが同じ言語を共有していると前提しがちであった。だがこの方法論的ナショナリズムは、昨今のグローバリゼーションで人の国際移動が活発化し、社会の言語的多様化が進む現実にフィットしていない。その点で本課題は、既存理論の再検討を通じて、その言語観の限界を克服し、マルチリンガル化する社会の統合につながる、社会学の新しい言語論の構築に寄与する。
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