研究課題/領域番号 |
19H01587
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
石原 剛志 静岡大学, 教育学部, 教授 (10340043)
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研究分担者 |
竹原 幸太 東京都立大学, 人文科学研究科, 准教授 (30550876)
二井 仁美 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (50221974)
山崎 由可里 和歌山大学, 教育学部, 教授 (60322210)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
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キーワード | 感化院 / 少年教護院 / 精神医学 / 鑑別 / コロニーシステム / 児童の権利 / 児童保護員 / ケースワーク / 児童保護 / 東京府児童保護員 / 東京府鑑別委員会 / 北海道家庭学校 / 感化教育 / 教護 / 感化法 / 少年教護法 / 国立武蔵野学院 / 感化院・少年教護院 / 感化法・少年教護法 / 児童の権利思想 / コロニー・システム |
研究開始時の研究の概要 |
児童自立支援施設は「不良行為をなし、又はなすおそれのある児童」等を対象に「自立を支援」すること等を目的とした施設である。この施設は、感化法にもとづく感化院に始まり、少年教護法にもとづく少年教護院、児童福祉法にもとづく教護院、児童福祉法第50次改正で児童自立支援施設へと名称等を変え、今日に至っている。 本研究は、感化院長らが児童の鑑別等を課題として感化法改正・少年教護法制定を求めた1920年代後半から少年教護法の施行を経て総力戦体制への参加が求められた1940年代はじめの時期、感化院・少年教護院の実践とそれを主導した思想の展開を、児童自立支援施設所蔵資料等の検討によって明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、戦前日本において感化院・少年教護員の実践を主導した思想を、1)精神医学による鑑別を重視したもの、2)コロニーシステム構想、3)「児童の権利」思想、と3つの系譜で捉え、その展開を明らかにしようとした。 その結果、2)については家庭学校北海道農場と社名淵分校の実践と経過を明らかにし、3)については戦時下で人的資源論や日本精神主義からの批判がありながら非転向を貫いたものがあり戦後に引き継がれたことを明らかにした。1)については東京府では鑑別委員会による鑑別が実施されていたことを確認した。東京府では児童保護員によるケースワークが入退所の過程で行われており、第4の系譜として位置づけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義は、第1に、感化院の入退院にあたって、1920年代、東京府では児童保護員によるケースワークと鑑別委員会による鑑別が行われていたことを明らかにしたことである。この東京府における取り組みと、少年教護法で導入された少年教護委員制度と鑑別所制度との関連を探るのも今後の研究課題である。第2に、留岡幸助によるコロニーシステム構想とそれが実現された成果とあわせて、その実態や経過を明らかにしたことである。第3に、感化院・少年教護院における「児童の権利」思想を、少年保護分野との関連でも捉え直した点も従来にはなかった学術的貢献である。
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