研究課題/領域番号 |
19H01591
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
野村 恭代 大阪公立大学, 都市科学・防災研究センター, 教授 (10461188)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 施設コンフリクト / 合意形成 / 経年比較 / コンフリクト・マネジメント / 仲介者 / コンフリクト / コミュニケーション手法 / リスクコミュニケーション / 精神障害者施設 / リスクマネジメント / 世界調査 / 国民意識 / コンフリクト・マネジメント手法 / 合意形成プロセス / マネジメント手法 / 地域福祉 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、2010年度以降の障害者施設をめぐるコンフリクト発生実態を、全国調査を実施することにより究明する。そして、施設コンフリクト発生率の高い地域と低い地域の外部環境の差異、及び合意形成に至るプロセスを明らかにする。具体的には、精神障害者施設を取り上げ、施設コンフリクトの発生事由について、地域側の要因の関与を明らかにする。2010 年に申請者が実施した2000年から2010年までの10年間における施設コンフリクトの実態調査結果との比較検証を行うことにより、直近10年間の動向について分析し、コンフリクト・マネジメント手法の可能性と仲介者の属性や資質、期待される具体的な機能等について解明する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、2010(平成22)年度以降の障害者施設をめぐるコンフリクト発生実態を、全国調査を実施することにより究明することである。さらに、施設コンフリクト発生率の高い地域と低い地域の外部環境の差異、及び合意形成に至るプロセスを明らかにすることも、本研究の重要な研究目標である。具体的には、障害者施設のなかでも精神障害者施設を取り上げ、施設コンフリクトの発生事由について地域側の要因(社会文化的背景等)の関与を明らかにするため、分析を進めている。 施設コンフリクトとは、施設と周辺住民との間で生じる紛争、対立、摩擦等である。障害者施設をめぐるコンフリクトは、主として障害者への差別や偏見がその発生原因であると考えられている。実際、施設建設や施設の運営に対し、障害者施設や障害者に対する差別や偏見に基づくと思われる理由により、周辺住民が反対運動を展開することが多くみられる。申請者が2010年に実施した全国調査においては、施設コンフリクトは全体の約1割で発生していることが明らかになっており、「発生していない」と片づけられていた障害者施設コンフリクトは、今もなお発生していることが明らかになった。 今年度も昨年度同様、新型コロナウイルス感染症の影響のため、施設・事業所へのヒアリング調査が大幅に遅れ、施設コンフリクト発生から合意形成に至るプロセスを解明するための聞き取り調査を継続的に実施している状況である。 今回の調査では、実態についてより正確に把握するために、アンケート調査の回答が得られなかった施設もヒアリング対象として訪問調査を実施し、追加調査として聞き取りによる調査を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年12月までに事前準備、ヒアリング対象施設への依頼、ヒアリング調査の実施を実施、令和4年3月までにヒアリング調査結果の集計・分析、研究成果とりまとめを行う 予定であったものの、影響が続く新型コロナウイルス感染症蔓延により延期を余儀なくされた。ヒアリング調査対象が社会福祉施設であることから、新型コロナの影響はやむを得ないことであり、研究計画を変更せざるを得ない状況であった。
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今後の研究の推進方策 |
申請者が実施した2010年の調査においては、施設建設に対する反対運動の理由として「精神障害者は何をするかわからない」というものが多くみられた。このような調査結果が得られた一方で、施設コンフリクトの発生原因は、障害者への差別や偏見ではないとする研究も存在する。精神障害者に関しては、差別や偏見という明確な動機よりも、多くの住民が精神障害者について「知らない」ことが反対の理由となることも珍しくない。2010年の前回調査以降、地域住民が施設に対し反対する理由に変化はあるのか、引き続き「知らない」ことが反対の理由であるならば、合意形成(コンフリクト解消)のためにはどのような手法が求められるのかを明らかにする必要があることから、今後はこれからの分析軸を基軸として、聞き取り調査結果を基に、合意形成において用いられた方法、手法をコンフリクト・マネジメント手法の観点から分析する。さらに、施設側からの視点および地域住民側からの視点の双方のデータをつき合わせることにより、施設コンフリクト発生要因と施設と地域住民との関係構築のための条件について理論化を試みる。また、特徴的だと判断される事例データを分析することにより、施設コンフリクトに影響を及ぼす社会文化的要因について明らかにする。
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