研究課題/領域番号 |
19H01592
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部) |
研究代表者 |
福原 宏幸 一般社団法人部落解放・人権研究所(調査・研究部), 企画・研究部, 非常勤研究員 (20202286)
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研究分担者 |
平野 寛弥 目白大学, 人間学部, 准教授 (20438112)
嵯峨 嘉子 大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (30340938)
土岐 智賀子 開志専門職大学, 事業創造学部, 講師 (30709291)
柳原 剛司 松山大学, 経済学部, 准教授 (40633251)
廣瀬 真理子 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 客員研究員 (50289948)
中村 健吾 大阪市立大学, 大学院経済学研究科, 教授 (70254373)
亀山 俊朗 中京大学, 現代社会学部, 教授 (70507425)
松原 仁美 静岡大学, 人文社会科学部, 准教授 (70736347)
嶋内 健 立命館大学, 産業社会学部, 授業担当講師 (70748590)
太田 美帆 静岡大学, 農学部, 助教 (70755355)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2019年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 社会的包摂 / シティズンシップ / EU / 最低所得保障 / アクティベーション / 福祉レジーム / 社会的排除・包摂 / 移民・難民支援 / 社会的連帯経済 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者とその分担者たちは2010年に「欧州福祉レジーム研究会」を立ち上げ、欧州の福祉レジーム、社会的排除/包摂、アクティベーション、そしてシティズンシップについて研究を進めてきた。その成果は、2冊の編著書としてとりまとめている。 今回の研究は、こうした成果を踏まえつつ、最低所得保障のあり方の二極化、すなわちベーシックインカムの実験的導入とその対極にある「条件付き最低所得給付における条件の強化」の結果を検証し、排除された人々に対する最低所得保障のあり方を問うことにある。あわせて、各国におけるこのような政策の違いをもたらしているシティズンシップの違いにも、分析を深めていく。
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研究実績の概要 |
2020年度は、研究代表者と10人の研究分担者のうち、5名が海外での調査を予定していた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大が急激に世界中に広がったことから、2020年度においても海外調査を実施することができなかった。なお、現地調査を実施できなかったのは、廣瀬真理子(オランダ)、松原仁美(フランス)、太田美帆(スウェーデン)、土岐智賀子(イタリア)、福原宏幸(ベルギーとフランス)である。 研究代表者と研究分担者は、EU福祉レジーム・市民権研究会を組織しており、オンラインによる情報共有と個別課題についての議論を不定期に実施するとともに、2020年6月と11月の2回にわたって、オンラインを使って全員が集まっての研究会を開催し、調査・研究の成果の共有を図った。 とくに、2020年7月に研究会メンバーの共著によって第三弾の研究成果『岐路に立つ欧州福祉レジーム:EUは市民の新たな連帯を築けるのか?』を刊行することができた。ここでは、欧州福祉レジームの課題を、①アクティベーションと社会的包摂政策の展開、②社会的連帯経済の展開と課題、③欧州におけるシティズンシップの変容の3つを取り上げ、それぞれの視点で、欧州各国の福祉レジームの現状を分析した。 2020年度の後半は、この研究成果について、総括的な討論を行なった。 また、コロナ感染拡大のもとにおける欧州各国における社会的課題を抱えた人々の生活と就労の実態変化について情報交換を行い、また各国の生活支援・就労支援策そしてコロナ感染の抑制に対する施策などについて、議論を行なった。このほか、オンラインによって、その都度、各研究者の研究の進捗状況の確認と今後の調査研究の進め方について意見交換を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス感染が終息しなかったことにともなって、予定していた5件が実施できなかった。しかし、これまでに蓄積してきたデータと、文献研究、インターネットを活用した情報収集によって、調査研究を行い、現地ヒアリング調査の欠如を補う努力を行い、2020年7月に共著本を刊行することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度はコロナ感染が終息傾向に向かうことを念頭に、2020年度に実施できなかった5回の海外調査を実施することをめざす。また、これが不可能となったとしても、文献研究とインターネットを活用した情報収集によって研究を進めていきたい。 とくに、、コロナ禍が欧州福祉レジームに対してどのような影響を与えるのか、この点を明らかにし、欧州福祉レジームがこれによって変容しつつあるのか、それとも変わることなくこれまでの施策を推進していくのか、この点が興味深い。今後は、こうした観点も加味しながら研究を進めていくことをめざしたい。
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