研究課題/領域番号 |
19H01619
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09010:教育学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
北村 嘉恵 北海道大学, 教育学研究院, 教授 (20322779)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 先住民族の近代史 / ライフヒストリー/生命史 / 歴史記憶 / 植民地戦争 / 修学経験 / 脱帝国化 / ジェンダー / 台湾 / ライフヒストリー(生命史) / 植民地軍 / 歴史認識 / 脱植民地化/脱帝国化 / 先住民族 / セクシュアリティ / 家族史 / 婚姻・内縁 / 植民地化/脱植民地化 / 先住民族の歴史 / 不就学・中途退学 / 地域資料 / 先住民史 / 越境結婚 / 植民・移民 / ライフヒストリー / 「混血」 / 異民族間婚姻 / 混血 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、先住民族を主体とする歴史叙述の構築に向けて、東アジアにおける植民地主義の展開過程を個人史・家族史の観点から再構成しようとするものである。台湾先住民族は、19世紀末から20世紀半ばの時期に、清朝、日本、中華民国という複数の外来統治者のもとで近代国家に組み込まれる。この歴史過程におけるマクロおよびミクロな権力作用の連関を読み解きながら、植民地社会を生きた個々人の経験を基点とする歴史叙述を追究する。それは現代の日本社会および世界各地で複雑さを増しつつ継続する人種主義の問題構造を批判的に再考するための視座を探る試みでもある。
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研究成果の概要 |
歴史的・社会的に周縁化されてきた人々の世界観や歴史経験をいかに形象化しうるか。その地点から、特定の他者を周縁化ないし不在化することによって構築してきた自己像や歴史認識をいかに更新し、新たな関係性の実践へとつなげていけるか。本研究は、このような問いを抱えながら近現代の台湾先住民族の歴史経験の形象化を追求した。とくに、帝国において公的に創り出される境界や秩序と私的に取り結ばれる関係性との交じり合いに着目し、文献調査、聞き取り、フィールドワークから得られた資料を相互批判的に活用して、個人史・家族史を主軸とする通史像の輪郭を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、個別具体的な歴史経験に即して植民地社会におけるマクロとミクロの権力作用を解明し、主体と構造の関係性の析出するための方法論の深化に寄与する。これは、これまで一方的に観察され記述されてきた人々の歴史を書き直していく重要なステップである。また、既存の教育学や歴史学が無視または均一化してきた経験を語るための新しい言葉や認識の枠組みについて新たな議論を開く。これらを通じて、現代の日本社会や世界各地で継続する人種主義や植民地主義の現実的地盤を掘り崩していくための洞察を提示する。
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