研究課題/領域番号 |
19H01639
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09020:教育社会学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小川 佳万 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90284223)
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研究分担者 |
長濱 博文 桐蔭横浜大学, 法学部, 准教授 (00432831)
松本 麻人 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10727168)
服部 美奈 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (30298442)
中田 有紀 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (30553771)
石田 憲一 長崎純心大学, 人文学部, 教授 (50284138)
小野寺 香 奈良女子大学, 人文科学系, 准教授 (60708353)
大和 洋子 星槎大学, 共生科学部, 教授 (30724413)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 市民性教育 / アジア / 高等教育 / 中等教育 / 国際比較 / 新しい学力 / 教養教育 / 公民 |
研究開始時の研究の概要 |
社会のグローバル化が進む中で、アジア各国は20世紀型国民国家から21世紀型市民国家へと移行するため、主に初等・中等教育段階で「市民」形成が目指されてきた。ところが近年高等教育の拡大を受けて、それが高等教育段階の課題としても各国で認識され、それを鍵概念の一つとした教養教育改革が実施されてきている。本研究は、アジア諸国における市民性教育(Citizenship Education)を中等教育段階の学力観の転換及び高等教育段階の教養教育改革という視点から捉え、国際比較検討を行うことにより、グローバル社会における「市民」概念の解明と将来の市民性教育のあり方へ示唆を与える。
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研究実績の概要 |
本研究は(1)各国の調査研究と(2)国際比較研究とで構成される。研究対象となる国(地域)は、日本、韓国、中国、香港、台湾、モンゴル、フィリピン、インドネシアである。ベースとなる文化的背景は大きく異なり、また戦後の歴史的・経済的発展においても大きな差異が認められる。そこで「市民」概念の解明のため対象国の選定にあたっては、宗教、政治・経済において多様性を確保し、それぞれの観点から各国を相互比較ができるように配慮した。それらの間の比較検討から新たな「市民」概念が浮かび上がることを目標としている。 本年度は、前年度に引き続き、アジア各国の中等学校(日本の高校段階相当)での調査研究を行った。以前の共同研究では中等教育段階での新しい学力と大学入試との関係を明らかにしてきたが、それらを参考に各国の中等教育内容に着目し、市民性教育政策と教育課程の分析、特に重要な科目として浮かび上がってきた「公民」関連科目や日本の「総合的な探求の時間」に相当する科目の分析を中心に進めた。また国によっては、「歴史」科目や「宗教」科目も「市民」形成と強く関係していることが分かってきた。そして各国の分析から、新しい学力と「市民」との関係の国別特徴と共通性を明らかにすることを試みた。今年度は新型コロナの影響がやや弱まり、学校訪問調査が可能となった国(地域)もあったが、多くはまだ実現できなかった。ただしそこではオンラインでの聞き取り調査を行うことで研究を進めることができた。もちろん実際に訪問して関連する授業の観察等を行った方が実態把握に有益であることは確かであるので、現地訪問調査が可能になり次第、積極的に訪問し、市民性教育政策の理念がどのように教育現場で実現されているのかをさらに明らかにしていきたい。本年度の成果は、メンバー各自が関連学会で報告して意見交換を行い、またその一部を論文として刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナの影響がやや弱まり、国によっては海外訪問調査が可能となってきた。ただし、多くは海外の現地調査が十分には実施できていない。それでも各研究者がこれまでの現地の教員との関係を活かしてオンラインで聞き取り調査ができたため、おおむね中等教育段階の調査を計画どおりに進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度から現地調査が可能になってきたため、可能となった国は積極的に現地調査を行うことと、各国の特徴や全体に共通する点をメンバー全員で検討して「アジア的市民」像を明らかにしていきたい。
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