研究課題/領域番号 |
19H01651
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
中谷 奈津子 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 准教授 (00440644)
|
研究分担者 |
関川 芳孝 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (10206625)
吉田 直哉 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (70626647)
鶴 宏史 武庫川女子大学, 教育学部, 教授 (80411932)
木曽 陽子 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 准教授 (80735209)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
13,390千円 (直接経費: 10,300千円、間接経費: 3,090千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
|
キーワード | 保育所 / 生活困難 / 子育て支援 / 組織的支援 / 保護者支援 / 保育所等 / 家庭支援 / 組織的対応 |
研究開始時の研究の概要 |
新しい生活困窮者支援のかたちとして、包括的、個別的、早期的、継続的支援が求められているが、保育所等は子どもと保護者が日々通うところであり、日常の観察や保育から、問題が深刻化する前の支援的な介入や他機関連携、課題解決に向けた個別的、継続的な支援が可能となる。本研究では、生活課題の早期発見後の介入方法、組織内での合意形成や意思決定プロセスに関する組織体制の質的把握、不十分な家庭養育に対する補完・補償の方法の提示、イギリスにおける研修システムと支援体制の把握を行うとともに、本研究チームによるこれまでの知見を整理し、生活困難家庭に対する保育所等における組織的支援に関する実践理論を提示する。
|
研究実績の概要 |
本研究では、生活課題の早期発見後の介入方法、組織内での合意形成や意思決定プロセスに関する組織体制の質的把握、不十分な家庭養育に対する補完・補償の方法の提示、イギリスにおける研修システムと支援体制の把握を行うとともに、本研究チームがこれまで明らかにしてきた知見を整理し、生活困難家庭に対する保育所等における組織的支援に関する実践理論を提示することを目的としてきた。 研究計画立案当初は、イギリスにおける研修システムの検討を含めて行う予定であったが、新型コロナ感染症拡大のため2021年度の調査は延期を余儀なくされた。2022年度に入っても海外調査の見通しが持ちにくい状況であったため、国内調査の充実を図ることとした。 2022年度においては、2019~20年度に実施した支援的介入プロセスを明らかにするためのインタビュー調査の分析・論文執筆を行った。支援的な介入の判断には、子どもへの影響と保護者の状況や思いも関連していたが、最終的に介入の程度を決めるのは、「異変」がどれほど子どもの命にかかわるかという点が浮き彫りになった。また支援者に求められる「姿勢」として、つながり維持のための努力や潜在的課題への意識が、生活困難家庭支援の独自性として抽出された。一方、2020~21度に実施した子どもへの積極的支援に関するインタビュー調査に基づき、園における子どもに対する積極的な支援の具体的方策、その際の家庭との連携について分析を行い、学会発表を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インタビュー調査の練り直しが必要となったことや新型コロナの感染症の影響でインタビュー調査の実施が延期されたため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、2022年度までに実施したインタビュー調査(第3弾)の分析を行い、園長の生活困難家庭の支援に関する意識の形成プロセス、園内保育者に対する意識改革のプロセスなど、順次、学会発表の予定である。また公立保育所等への追加インタビュー調査を実施し、保育所等組織における家庭支援に関する意識改革のプロセスについて明らかにし、特に公私立園長の意識形成過程の相違にも焦点をあてて分析を行う。 また、質的データの分析を主とした本研究での論稿が蓄積されてきているため、2023年度には、研究成果を広く発信するために学術書を出版予定である。
|