研究課題/領域番号 |
19H01653
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09030:子ども学および保育学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
西川 里織 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (40599213)
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研究分担者 |
安村 明 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 准教授 (60723468)
カレトン リチャード 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10503782)
伊賀崎 伴彦 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (70315282)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
10,140千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 2,340千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 表情認知 / メンタルヘルス / アタッチメントスタイル / 社会性 / バイオマーカー / 養育態度 / 表情識別 / アタッチメント / レジリエンス / 自閉傾向 / 愛着スタイル / 認知機能 / 発達障害傾向 / パーソナリティ / 親子関係 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,親子の社会性に焦点を当て,親子のメカニズムと認知機能の生物学的基盤を行動観察,行動実験,脳機能計測を用いて検討する。課題①では,親子の関係性のタイプについて評価を行い,ふうせんゲーム課題(視覚運動協応課題)や表情識別課題を用いて親子それぞれの認知機能を測定する。課題②では,親と子の表情を読み取る力を測定し,課題中の脳活動計測を行う。課題③では,親子対面時脳活動に反映される特性を解明する。
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研究実績の概要 |
本研究ではメンタルヘルスと社会性の発達・社会的要因と検討することを目的とし行動実験と調査を実施した。まず、表情識別能力と自閉傾向の関連性を調べるために、成人34名(男性11名、女性23名、平均年齢20.88歳)を対象にタブレットパソコンに表示される女性の4種の表情(喜び・悲しみ・驚き・怒り)を評定する課題とAQ(自閉傾向)を実施した。その結果、強度35%の喜びの正答数とA Qの相関が認められた。次に、前年度に実施した小学生34名と成人の正答数の比較を行った所、35%の悲しみと怒りの表情において成人群が子ども群より有意に高く出た。さらに強度20%の課題では、喜び、悲しみ、怒り、驚きの表情において成人群が子ども群より有意に高く出た。これらの結果は、小学校高学年以降も表情識別能力が発達あるいは経験により学習される可能性があると考えられる。また、子どもと成人ともに驚きがもっとも正しく識別されており、 次に喜び、 悲しみ、 怒りの順であった。怒り顔の性差には、 文化や歴史的背景が関与している可能性が示唆される。 次に、大学生308名(平均年齢19.5歳 女性61.80%)を対象に両親からの養育態度とメンタルヘルスとの関連性を調査した。その結果、父と母からの拒絶感は不安・抑うつ、引きこもり、および身体症状を有意に予測した。親と子の性別によって養育とメンタルヘルスの相関パターンが異なっていた。これらの結果は、成人期初期のメンタルヘルスにおける幼少期の養育態度の重要性を示している。さらに、1300名の子ども(男子502名、女子798名、平均年齢15.71歳)を対象に愛着スタイルとエゴ・レジリエンス、また新型コロナウィルスへの恐怖感の関連性を調査した。その結果、エゴレジリエンスはコロナウィルスへの恐怖感と不安定型アタッチメントと不の相関を示し、安定型と正に相関した。また安定型の子どもが不安定型よりも高いエゴ・レジリエンスを有することを示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響により、行動実験や調査の実施が遅れているため「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
可能な限り行動実験を実施し研究を進める。また、すでに実施した実験と調査の論文化する。
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