研究課題/領域番号 |
19H01663
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09040:教科教育学および初等中等教育学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
益田 裕充 群馬大学, 共同教育学部, 教授 (30511505)
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研究分担者 |
加藤 圭司 横浜国立大学, 教育学部, 教授 (00224501)
上原 永次 群馬大学, 共同教育学部, 教授 (50883625)
藤本 義博 岡山理科大学, 教職支援センター, 教授 (60173473)
久保田 善彦 玉川大学, 教育学研究科, 教授 (90432103)
栗原 淳一 群馬大学, 共同教育学部, 教授 (90583922)
片平 克弘 筑波大学, 人間系, 教授 (70214327)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 理科授業 / 教師の授業力形成 / 探究の過程 / 教師教育 / 教師教育プログラム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は新学習指導要領理科改訂の新たな方向性を受け,学習科学の知見から,デザインベース研究(design-based research;DBR)の概念に基づき,子どもの資質・能力を形成するために,科学的な探究の過程を成立させた授業を展開し,これらの効果的な協議の手法を検討しながら,省察に基づく教師の資質・能力形成を明らかにし,理科授業を通して学び続ける教師教育プログラムを開発することにある。科学的な探究の特徴として,理科授業を構成する各過程の関係の成立に着目する。科学的な探究の過程の成立と資質・能力を切り離さず教師の学習共同体で省察し,理科授業を通し学び続ける教師教育プログラムを開発する。
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研究実績の概要 |
本研究は、得られた知見が他の教育実践にも適応できるように研究の知見を拡大していくことをも目的としている。これは,科学的な探究の特徴を認識することが求められる現行小学校学習指導要領理科・現行中学校学習指導要領理科と軌を一にする概念である。しかし,これまでこうした科学的な探究の特徴に焦点を当てた研究の成果は少ない。さらに,これらを教師教育として発展させた研究の成果はほとんどない。一方,わが国の指標化・基準化の施策と並行して,教師教育学研究では知識社会の学校の中で教師を学びの開発者とし社会的な時間の中に教師を定位させることの重要性が指摘されている(Andy Hargreaves,2013) 。学習共同体による知の創造が教師教育の世界的な潮流となる中で,わが国においても,教師を学びの開発者とし,学び続ける教師教育の創造が求められ続けている。本研究の核心をなす学術的な問いは,こうした点を踏まえDBRの概念を援用し現行学習指導要領理科で示された科学的な探究の過程に着目し,この成立の条件とその授業で培われる子どもの資質・能力の評価を切り離さず研究者の介入による効果的な協議手法を検討しながら,実際の理科授業を教師同士に協議させ,学び続ける教師教育プログラムを開発することにある。当該年度の研究実績は、研究総括・体系化期として子どもが身につけた資質・能力は教室の文脈の中でいかに他者の能力に転移できたのか,他の子どもに転移する協同性とその要因を実証できた点にある。子どもに形成された資質・能力が他の子どもの資質・能力形成に,なぜ,どのように結びついたのか。あるいは結びつけるためにいかなる課題が残ったのかを実証し論文として発表することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画とおり研究代表者・分担者が介入しながら科学的な探究の過程の成立等を効果的に協議する手法やリソースを開発する学習共同体を運営しながら資質・能力の形成を教師自身の授業改善へとつなげるプロセスを実証できた。特に、子どもが身につけた資質・能力は教室の文脈の中でいかに他者の能力に転移できたのか,他の子どもに転移する協同性とその要因を研究成果として発表することができた。研究総括・体系化期として位置づけ、子どもに形成された資質・能力が他の子どもの資質・能力形成に,なぜ,どのように結びついたのか。あるいは結びつけるためにいかなる課題が残ったのかを実証することができたことから研究は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
研究は最終年度期として,子どもが身につけた資質・能力は教室の文脈の中でいかに他者の能力に転移できたのか,他の子どもに転移する協同性とその要因を実証するに至っている。子どもに形成された資質・能力が他の子どもの資質・能力形成に,「なぜ」,「どのように」結びついたのか。あるいは結びつけるために「いかなる課題が残ったのか」を実証できた。これらを踏まえて,今後の研究の推進方策として、これらの実証過程を通して,科学的な探究の過程の成立に基づく授業づくりのための「教師個人の対象となる教育現場を背景とした学びの形成」「教師集団としての一般化」「課題解決の連動性・適応性」もより一層、具体化する。効果的な授業協議やリソースを開発し,教師と子どもの資質・能力形成を実証し,得られた研究成果を,学会発表を通して全国に広める。
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