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自閉症のコミュニケーション障害に対する自閉的共感の多角的検討

研究課題

研究課題/領域番号 19H01699
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分09060:特別支援教育関連
研究機関金沢大学

研究代表者

大井 学  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任教授 (70116911)

研究分担者 藤野 博  東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (00248270)
高木 智世  筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00361296)
日戸 由刈  相模女子大学, 人間社会学部, 教授 (40827797)
米田 英嗣  青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (50711595)
田中 早苗  金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80811372)
合崎 京子  東京学芸大学, 教育学研究科, 日本学術振興会特別研究員PD (70867936)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
14,170千円 (直接経費: 10,900千円、間接経費: 3,270千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
キーワード自閉的共感 / 語用障害 / 意味障害 / 共生社会 / 会話 / 自閉症 / 自閉症スペクトラム指数 / 会話分析
研究開始時の研究の概要

自閉症者は他の自閉症者の示すコミュニケーション障害に対して、定型発達者に比べ寛容であるかということを検証する。また、定型発達者の中で自閉症スペクトラム指数が高い人は低い人に比べ同様に寛容性が高いかという疑問の答えを得る。自閉症者のコミュニケーション障害に寛容だと、会話中のそれにともなう困惑が生じず、会話の滞りを補うことが予想される。これらが明らかになると、自閉症支援における自閉症者同士のかかわりや、自閉症スペクトラム指数の高い人とのかかわりがもつ意義が明らかとなる。

研究成果の概要

1)語用障害について問題と思う程度とAQ得点との間で、定型発達(TD)成人では正の相関が、自閉スペクトラム症(ASD)成人では負の相関があった。2)同様の点で思春期・青年期のTD児では相関はなく、ASD児では負の相関があった。TD児よりもASD児が問題と思う程度が低かった。3)TD成人がASD成人のコロケーション誤用を不適切と思う度合とAQ得点の間に負の相関があった。4)語用障害を一貫して問題と思うのは母親の12%,TD成人の31%,一貫して問題と思わないのは母親の8%,TD成人の4%であった。ASDの有無により問題と思う程度が異なるか、TD成人が他より問題と思う程度が強い語用障害があった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

自閉的共感が自閉症に伴うコミュニケーション障害についても生じているかを検討した。定型発達者においては自閉的特性が強いと語用障害や意味障害を否定的にとらえる程度が低く、自閉的共感の存在を再確認した。自閉症のある人の周囲の人の自閉的特性の度合いの違いが、自閉症の人とのコミュニケーション上の軋轢に影響する可能性を検討することが、共生社会を構築するうえで有用となると予測される。一方、定型発達成人の3割が語用障害を一貫して問題であるとみなしており、語用障害に焦点を当てた共生社会づくりの必要性が示された。その際、周囲から特に否定的にとらえられる語用障害について考慮すべきであることが示唆された。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実績報告書
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2022 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 2件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 成人におけるBroader Autism Phenotypeの程度または自閉症スペクトラム障害の診断と語用障害に対する認容性との関連2022

    • 著者名/発表者名
      大井 学、水谷柳子、福田純子、平谷美智夫
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 39

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] ASDの中学生女子が語る友人関係と自己認識-3事例への半構造化されたインタビューを通して-2022

    • 著者名/発表者名
      日戸由刈
    • 雑誌名

      子ども教育研究

      巻: 14 ページ: 61-66

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [雑誌論文] 成人における Broader Autism Phenotype の程度または 自閉症スペクトラム障害の診断と自閉症者の コロケーション誤用に対する認容性の関連2021

    • 著者名/発表者名
      大井 学、水谷柳子、福田純子、平谷美智夫
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 38 ページ: 194-201

    • NAID

      40022819471

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自閉症スペクトラム障害のある成人におけるコロケーション誤用生起とその特異性についての検討.2021

    • 著者名/発表者名
      福田純子,平谷美智夫,三浦優生,大井 学
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 38

    • NAID

      40022593127

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 自閉症者のコロケーション誤用に対する自閉症者の認容性.2021

    • 著者名/発表者名
      福田純子,平谷美智夫,三浦優生,大井 学
    • 雑誌名

      コミュニケーション障害学

      巻: 38

    • NAID

      40022593132

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 物語理解における時空間となつかしさ.2021

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣・西田マリア
    • 雑誌名

      心理学評論

      巻: 64

    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Referring to past actions in caregiver-child interaction in Japanese.2019

    • 著者名/発表者名
      Takagi,T.
    • 雑誌名

      Research on Children and Social Interaction,

      巻: 3 ページ: 92-118

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ASD児の名詞句の使用と対話者との共通理解の関係2022

    • 著者名/発表者名
      合崎京子・藤野博・松井智子・東條吉邦・計野浩一郎
    • 学会等名
      日本発達心理学会第33回大会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] シンポジウム「自閉スペクトラムの科学的支援にむけて(2)」話題提供2021

    • 著者名/発表者名
      日戸由刈
    • 学会等名
      日本心理学会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 学齢期のASD児同士で雑談は楽しめるのか?(2)-発達的変化の検討-2021

    • 著者名/発表者名
      日戸由刈・藤野 博・武部正明・米田英嗣・大井 学
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会(2021年3月)ポスター発表
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] ASD児の言葉の好みと認知特性2021

    • 著者名/発表者名
      藤野博・松井智子・東條吉邦・計野浩一郎
    • 学会等名
      日本発達心理学会第32回大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 言語習得の心理・神経基盤および教育への応用2020

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣
    • 学会等名
      日本心理学会第84回大会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム指数(AQ)が高い成人ほど語用障害と意味障害に対する認容性が高い2020

    • 著者名/発表者名
      大井 学・水谷柳子
    • 学会等名
      日本コミュニケーション障害学会第46回学術講演会
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [学会発表] 相互行為秩序と間主観性:定形発達児・非定形発達児の相互行為2020

    • 著者名/発表者名
      高木智世
    • 学会等名
      日本語用論学会第23回大会 シンポジウム:会話分析の基軸と展開.
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 自閉症スペクトラム指数(AQ)が高い成人ほど語用障害と 意味障害に対する認容性が高い2020

    • 著者名/発表者名
      大井 学・水谷柳子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第31回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 学齢期の ASD 児同士で雑談は楽しめるのか? -「ある・ある!タイム」の会話分析を通じて-2020

    • 著者名/発表者名
      日戸由刈 ・藤野 博 ・武部正明 ・米田英嗣
    • 学会等名
      日本発達心理学会第31回大会
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [図書] 発達障害のある子ども・若者の余暇活動支援2021

    • 著者名/発表者名
      加藤浩平、柘植雅義(藤野 博 分担執筆)
    • 総ページ数
      112
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      9784760895564
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] Decision Making by Individuals with Intellectual and Developmental Disabilities: Integrating Research into Practice2021

    • 著者名/発表者名
      Ishita Khemka, Linda Hickson,Hidetsugu Komeda
    • 総ページ数
      568
    • 出版者
      Springer Nature
    • ISBN
      3030746755
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [図書] 子どもの「コミュ障」:発達障害のもう一つの顔2020

    • 著者名/発表者名
      大井 学
    • 総ページ数
      129
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      9784760824304
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書
  • [図書] 利他性を導く多様な共感性(亀田達也「モラルの起源」についての書評シンポジウム). 児童心理学の進歩20202020

    • 著者名/発表者名
      米田英嗣
    • 総ページ数
      264
    • 出版者
      金子書房
    • ISBN
      9784760899609
    • 関連する報告書
      2020 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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