研究課題/領域番号 |
19H01704
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09060:特別支援教育関連
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研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
八木 淳子 岩手医科大学, 医学部, 教授 (80636035)
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研究分担者 |
桝屋 二郎 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70349504)
福地 成 (福地成) 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (50641958)
松浦 直己 三重大学, 教育学部, 教授 (20452518)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
12,220千円 (直接経費: 9,400千円、間接経費: 2,820千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 東日本大震災 / トラウマ / 母子メンタルヘルス / 早期発見・早期支援 / 発達障害 / ソーシャルキャピタル / ACE / PTSD |
研究開始時の研究の概要 |
東日本大震災から8年余りが経過するが、現在でも、特に激甚被災地において、さまざまな被災の影響が残存する。我々は震災後の1年間に岩手・宮城・福島の沿岸被災地で誕生した子どもたちを対象に、子どもの発達やメンタルヘルス、社会適応について包括的に把握し、ハイリスクな状態にある子どもたちに多層的かつ専門的な支援を実施してきた。 調査開始初年度には、子どもの認知発達と母親のメンタルヘルスに関する深刻な状況が窺知されたが、ベースライン調査から3年が経過し、特に子ども達の発達・行動面で良好な改善が認められる。 本研究チームは、これまでの基盤の上に今後9年間、追跡調査と多面的支援を実施していく予定である。
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研究成果の概要 |
東日本大震災後1年間に誕生し岩手・宮城・福島の甚大被害地域で育つ子どもと保護者223組の協力を得て、子どもの認知発達・行動上の問題、母親の精神健康の実態とそれらの関連を調査したコホート研究(2016-2018)を基盤とし2019年より4年間の追跡調査を行った。ベースライン調査で観察された子どもの認知・語彙発達の遅れや母親の精神医学的問題は7年の経過でいずれも改善傾向にあるが、子どもの行動上の問題・精神健康と母親の精神健康の問題は相互に関連しながら経過し、回復にはソーシャルキャピタルの役割が重要であった。ハイリスク児・家庭には学校や相談機関・医療機関等との連携による長期的支援継続が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
大震災後1年間に被災地に誕生した子どもの発達や精神健康の問題と保護者の精神健康の関連について本邦ではじめて明らかにし、被災の影響によると考えられる子どもの行動・精神健康の問題の遷延は、母親の小児期逆境体験や精神健康の問題と相互に関連しながら長期にわたり継続することが示された。大災害後には、直接被災した子どもだけでなく、震災後に生まれた子どもとその家庭にも長期的な発達支援・養育支援の継続を要することが示された。
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