研究課題/領域番号 |
19H01741
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分09080:科学教育関連
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研究機関 | 大阪経済法科大学 |
研究代表者 |
東條 加寿子 大阪経済法科大学, 国際学部, 教授 (20258346)
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研究分担者 |
国吉 ニルソン 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30254577)
野口 ジュディー津多江 神戸学院大学, グローバル・コミュニケーション学部, 名誉教授 (30351787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
11,570千円 (直接経費: 8,900千円、間接経費: 2,670千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 英語による講義 / 講義コーパス / 知識伝達と知識構築 / Legitimation Code Theory / 教育文化 / 日米理工系講義コーパス / 知識構築 / 教授文化 / 英語による講義(EMI) / 理工系講義 / 科学教育文化 / 大学のグローバル化 / EMI / 科学教育 / 英語を介した講義 / 日英講義コーパス / グローバル化する大学 |
研究開始時の研究の概要 |
英語で授業を実施する体制の構築は、グローバル30(国際化拠点整備事業)が目指す最重要課題の一つである。しかし、多文化・多言語を背景にする多様な学生が混在するクラスで英語を介して講義をすることは、日本語の講義を共通語としての英語に置き換えることに留まらない様々な要因を内包している。学習スタイルや教授スタイルは文化固有であり、教員・学生双方の講義の在り方に対する認識はそれぞれの母語文化に依存しているからである。本研究では、理工系講義について英語・日本語の講義コーパスを構築し、教授言語使用にみる教授スタイルの比較分析を行い、多様な教育文化が混在するクラスでの英語を介した理工系講義の問題点を解明する。
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研究成果の概要 |
グローバル化が日本の高等教育にもたらした変革の一つに「英語で講義をすること」がある。本研究では、理工系講義について、アメリカの大学での英語講義と日本の大学での日本語講義を比較分析してそれぞれの特徴を特定するために、日米の講義コーパスを構築するとともに、同コーパスを用いて講義構造を自動解析するプログラムを開発した。解析の結果、両者には講義の説明に用いられる用語の抽象性と文脈性に相違が見られることが明らかになった。このことは、講義を媒体とした知識伝達と知識構築の過程が日米で異なることを意味し、どのように教授するかという教育文化の違いの介在を示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、専門領域を「英語で講義すること」については、教授言語を日本語から英語へどのように移し替えるのかといった言語的側面が重視されてきたが、講義の教授言語が違えばその背景にある教育文化が異なることが明らかになったことで、表層的に言語を日本語から英語へ変換するだけでは効果的な英語の講義実践にはならないことがわかった。そればかりか、教授言語を英語にすることで、講義に質的変化がもたらされる可能性が示唆される。本研究は、日本の大学で「英語で講義をすること」の議論に一石を投ずると同時に、グローバル化が日本の大学にもたらした多様な言語・教育文化の影響力と課題の所在を示している。
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