研究課題/領域番号 |
19H01746
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10010:社会心理学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
上出 寛子 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任准教授 (90585960)
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研究分担者 |
新井 健生 電気通信大学, 脳・医工学研究センター, 客員教授 (90301275)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
13,130千円 (直接経費: 10,100千円、間接経費: 3,030千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2020年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
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キーワード | 認知身体マルチタスク / しりとり / 移動ロボット / 高齢者 / 言語・非言語タスク / 言語タスク / 非言語タスク / ヒューマンロボットインタラクション |
研究開始時の研究の概要 |
高齢者の多様性を、言語・非言語コミュニケーションの視点から、高精度に評価し、効果的に支援する学術的枠組みを構築する。社会心理学のコミュニケーション理論と測定手法を、工学技術と融合させることで学際的に拡張し、高齢期における社会性を多角的に理解することで、従来の年齢による画一的な高齢者定義を発展的に深化させる。具体的には、テレビゲーム課題を用いた個人で完結する従来型の心身マルチタスクの手法を、ロボットへ拡張する。さらに、個人的な認知身体機能だけではなく、社会的な認知身体機能を評価することで、高齢期における多様な個人に応じた支援を提案する。
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研究成果の概要 |
他者と協力して行う認知身体マルチタスクが、高齢者の認知身体機能に与える影響を検討した。しりとりと用いた認知タスクと、移動ロボットまたは歩行を用いた身体タスクを用いて、女性の高齢者が5日間、持続的にマルチタスクを行った。その結果、実験の前後で、視覚的な注意や他者の顔の認識に関する認知機能や、歩幅や握力といった身体機能が有意に向上することが明らかとなった。これは、移動ロボットを用いた場合でも、歩行を用いた場合と効果の違いはなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者が他者と協力して実施する認知身体マルチタスクを継続的に実施することで、認知身体機能が向上することが明らかとなった。特に、他者の顔の認識といった社会的な認知機能にも効果がある傾向が明らかになったことは、社会的なマルチタスクが高齢者の社会性を維持・向上する可能性を示したという学術的な意味がある。さらに、移動ロボットを用いた場合であっても、歩行を用いた場合と効果が異なることはないということは、歩行による移動が困難な場合に代わりに移動ロボットを用いても同様の効果が得られることが期待できるため、移動ロボットの利用可能性といった社会的意義についても明らかにすることができた。
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