研究課題
基盤研究(B)
予測や期待とその柔軟な制御はヒトとをヒトたらしめている重要な能力である。本研究は,情動に関連する事柄を空間や時間情報を手がかりに予測し,その予測を状況に応じて切り替える際に働く心理学的・神経科学的メカニズムを明らかにする。本研究では,予測・期待の獲得とその柔軟な制御を一連のダイナミックな学習・認知過程と捉え,様々な課題を遂行中の被験体において神経細胞の活動を測定,あるいは操作することで,学習・認知に関する心理学的メカニズムがどのような神経メカニズムによって実装されているのかを包括的に検討する。
実験動物において、音や時間的な手がかりに基づく報酬・罰の到来に対する予測課題を確立し、その柔軟な制御を司る生理学的・神経科学的なメカニズムに関する研究を行った。その結果、報酬と罰の予測に関与するモノアミン神経メカニズムが明らかにされると共に、時間に基づいた報酬予測に関連した生理指標としての瞳孔反応や、その制御に関与する神経回路が示された。
予測や期待とその柔軟な制御はヒトをヒトたらしめている重要な能力である。本研究は、この認知機能を司る神経メカニズムの一端を明らかにした点で、心理学・神経科学的に重要な意義を持つ。また、本研究で新たに明らかにされた神経メカニズムは、様々な認知機能障害に対する薬物治療の開発・発展に貢献する。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 4件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (42件) (うち国際学会 11件、 招待講演 4件) 図書 (1件)
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