研究課題/領域番号 |
19H01772
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
狩野 文浩 京都大学, 野生動物研究センター, 特任准教授 (70739565)
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研究分担者 |
山梨 裕美 京都市動物園, 生き物・学び・研究センター, 主席研究員 (80726620)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,430千円 (直接経費: 11,100千円、間接経費: 3,330千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2020年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2019年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 心の理論 / 共感 / 類人猿 / カラス / アイ・トラッキング / サーモ・イメージング / モーション・キャプチャ / エンリッチメント / 予測的注視 / モーションキャプチャシステム / アイトラッキング / 視線 / オキシトシン / モーションキャプチャ / 意図理解 / 動物の認知 / モーショントラッキング |
研究開始時の研究の概要 |
他者の意図と感情の理解は社会生活の基盤となる心の機能である。ヒトにもっとも系統的に近い類人猿に加え、系統的に遠いカラスにも類似の能力が認められているが、これら種間の類似がどの程度のものであるか、その具体像はいまだ明らかでない。本研究では、申請者自身が開発と応用に携わってきたサーモ・イメージング(熱画像)による類人猿における感情判定法とアイ・トラッキングによる視線記録法、さらに、モーション・キャプチャによる鳥の視線記録法を活用し、類人猿とカラスの他者理解について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究ではヒトに最も系統的に近い類人猿、系統的には遠いが高度な知性が認められているカラスを対象に、サーモ・イメージングやアイ・トラッキング、モーション・キャプチャなど最新の測定法を活用し、他者の意図と感情の理解について検討した。類人猿においては、アイ・トラッキングを用いて類人猿が他者の意図を理解するというよりも、他者の表面的な行動のルールを学習したに過ぎないという仮説に対して反証を得た。また、サーモ・イメージングを用いて他者の感情の理解(共感)について実験を行い、類人猿が他者の怪我に対して生理的反応を示すことを見出した。また、カラスにおいて、モーション・キャプチャによる視線測定法を確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
他者の意図や感情を理解する認知能力は、ヒトだけでなく、類人猿やカラスなどの動物においても認められることが近年の研究から指摘されていたが、その心的メカニズムについては多くの不明な部分が残されていた。本研究では、心の理論課題において、学習理論と認知理論の両面から従来から議論されていた仮説に対して検証実験を行い、成果を得た。また、類人猿が他者の表情といった直接的な手掛かりではなく、怪我といった間接的な手がかりにも共感的な反応を示すという初めての証拠も得た。さらに、カラスにおいては、頭の向きから視線を推測する方法を開発した。アウトリーチにも力を入れ、京都市動物園と共同で研究を行った。
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