研究課題/領域番号 |
19H01773
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分10040:実験心理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野村 理朗 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (60399011)
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研究分担者 |
Rappleye Jeremy 京都大学, 教育学研究科, 准教授 (00742321)
池埜 聡 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (10319816)
高橋 英之 大阪大学, 基礎工学研究科, 特任講師(常勤) (30535084)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 畏敬 / 自己超越的感情 / 自然 / 無心 / 先端技術 / ロボット / 比較文化 / 創造性 / 人工物 / 東洋思想 / マインドフルネス / 文化比較 / 伝統 / 深層学習 / 自然界 / 身体と技 / AI / 文化差 |
研究開始時の研究の概要 |
もとより複合的な高次感情である「畏敬」は,喜び・怒り・悲しみといった基本感情とは異なり,それを生じさせる規定条件に不明な点が多い。この正負の方向へと分岐しうる畏敬の発生機序の解明が重要課題であるとともに,AI等の開発,自然災害等に関わる心理支援への応用などの可能性も秘めている。本研究は,心理学,比較文化,ロボット工学等の領域を横断して連携し,複合感情としての「畏敬」の効用,およびその個人差の基盤となる心理・生物学的機構を明らかにするとともに,フィールド調査やロボットを用いた構成論的アプローチを取り入れた方法論により,「畏敬」の応用までを視野にいれた革新的知見を得ることを目指す。
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研究成果の概要 |
プロジェクト期間を通して,主には畏敬の状態を数量化する日本語版を開発し,畏敬の念の種別に応じて脳の機能的結合が異なることや,自他の境界が曖昧である感覚が生じうることを明らかにした。また超自然的存在が,感覚体験とナラティブにより生成するプロセスを模したシステムを開発し,その社会的促進の効果を示した。さらにフィールドワークとして畏敬の両義性の観点から,その倫理性,社会正義にもとづく価値の観点からマインドフルネス実践の可能性について検討,比較文化の視座からは,ウェルビーングと非認知的能力との関連から,特にOECD, UNESCO等の指標の改善点について考察し,各種国際シンポジウム等を開催した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
畏敬の念に着眼し,その源泉としてのを自然から人工物との関わりまでを広く視野に入れて検討した本研究プロジェクトの成果は,人工物(ロボット等エージェント)を利用した実験による構成論的アプローチを梃子に,独創的で精度の高いモデルを構築するのみならず,フィールド調査等により基礎的な知見を実装へとリンクする道筋をつけることができた。それは,感情に関わる人間本性・可塑性に迫る基礎研究としての意義を有するとともに,人間らしいロボットやAI,アルゴリズムの開発,さらには哲学,人類学,社会学等関連諸領域とのクロストークを促し,自然や人工物,異質な他者との共生に向けた叡智の創成へと資するものと考えている。
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