研究課題/領域番号 |
19H01780
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分11010:代数学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
斎藤 毅 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (70201506)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 分岐群 / 局所体 / エタール層 / 特異台 / 分岐 / 特性サイクル / Deligne--Kato公式 / 隣接輪体 / Frobenius--Witt微分 / マイクロ台 / 余接束 / F横断性 / 正則性判定法 / エタール・コホモロジー |
研究開始時の研究の概要 |
正標数の代数多様体のエタール・コホモロジーは,数論幾何の基本的な研究対象である。エタール層の特性サイクルは,余接束上に定義され,層のEuler数などの不変量が記述されている. 本研究の目的は,この特性サイクルの理論を発展させるとともにその適用範囲を広げ,数論幾何へ応用することである.スキームの分岐について理解を深めることが,研究の主な方法である.特性サイクルの記述,数論的な不変量への拡張,混標数のスキームへの拡張などを目標とする.
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研究実績の概要 |
2021年度までの研究で、剰余体が一般の離散付値体の分岐群の理論の基礎がひととおり完成したので、2022年度にこれをまとめた本の執筆を開始した。300ページ弱からなる第1稿は完成している。本の内容は、下つき分岐群や加藤が構成したコホモロジー的分岐群を定義する第1部、巡回拡大に対してこれらを比較するHasse--Arfの定理を証明する第2部、ガロワ表現の導手を扱う第3部、分岐群の幾何的な応用を扱う第4部、上つき分岐群を構成する第5部、上つき分岐群の次数商を調べる第6部からなる。分岐群の理論はこの20年で大きく発展したが、その内容を知るには原論文を読むしかなかったので、本としてまとめることはその全貌を把握するために大きな意味のあるものである。 今年度は、5,6月にフランスのCIRMで開催したフランス-アジア数論幾何サマー・スクールで、上付き分岐群の構成と性質について解説する連続講義を行った。1コマめでは上付き分岐群の定義、2コマ目では次数商がp倍すると0になるアーベル群であること、3コマ目では、次数商の双対から微分形式の加群への単射の構成について解説した。これは本の後半の第5部と第6部の内容に対応するものであり、講義をもとにして、本の原稿を修正することができた。 11月に東北大学で行われた数論幾何の研究集会と、12月に例年京都大学数理解析研究所で行われる数論の研究集会、2月に東大で行われたモチーフの研究集会に参加した。 2月から3月にかけて、CNRSのAbbes研究員を東大に招聘し、分岐群やp進コホモロジーをはじめとする数論幾何のさまざまなテーマについて議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
剰余体が一般の離散付値体の分岐群の理論の基礎をまとめた本の執筆を進めたが、完成には至らなかった。混標数のスキーム上の構成可能層の特異台の研究では期待していたような成果は得られなかった。
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今後の研究の推進方策 |
混標数のスキーム上の構成可能層の特異台の存在の証明が懸案となっている。正標数の場合にはラドン変換を用いて、存在が証明されている。混標数の場合に、正標数の場合の証明の類似を探り、何が不足しているのかを追求することで、証明を模索する。
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