研究課題/領域番号 |
19H01789
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
尾畑 伸明 東北大学, データ駆動科学・AI教育研究センター, 特任教授 (10169360)
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研究分担者 |
洞 彰人 北海道大学, 理学研究院, 教授 (10212200)
田中 太初 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (50466546)
荒木 由布子 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (80403913)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 量子確率論 / スペクトル解析 / 漸近的組合せ論 / 代数的組合せ論 / 直交多項式 / ネットワーク数理 / グラフスペクトル / 量子ホワイトノイズ |
研究開始時の研究の概要 |
統計性の源泉を非可換代数とその表現に求める手法として、量子分解は量子確率論の基本的な概念であり、理論と応用の両面からその多変数化が重要な課題となっている。本研究では、代数的組合せ論で扱われる有限系のスペクトル解析、および付随する巨大有限系の漸近解析に応用するという観点から、多変数の確率分布を扱う理論と多変数化された量子分解法を構築することを目的として、次の4課題を扱う。 (1)成長するグラフの同時スペクトル分布と付随する多変数直交多項式の決定 (2)アソシエーションスキームに付随した量子分解法の多変数化 (3)多変数直交多項式を特徴づける量子成分の非可換構造の抽出 (4)量子ホワイトノイズ解析の集大成
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研究成果の概要 |
量子分解は量子確率論における基本概念であり、統計性の源泉を非可換代数とその表現に帰することを主張するための鍵である。本研究では、量子分解の多変数化のための端緒として、成長するグラフ対から2変数スペクトル分布と付随する直交多項式の具体例を得た。多変数直交多項式系に対して定義される拡張ヤコビ行列に対して、退化指数という概念を導入してスペクトル測度の台を評価する最初の成果を得た。また、マイクスナー分布族を量子成分の非可換性によって分類して古典論を再現した。グラフの不変量として、距離行列を用いて二次埋込み定数(QEC)を導入して、具体的計算例を蓄積するとともにグラフの分類論の構築を開始した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
量子分解は、量子確率と古典確率を関連付けるための基礎概念として、本研究代表者と洞(分担者)によって定式化された。それは、グラフのスペクトル解析に量子確率論の手法を導入する動機付けとなり、直交多項式を量子確率論の枠組みで議論するきっかけを与えたため、これまでに一定の評価を得ている。本研究では、有限系のスペクトル解析を念頭に、多変数の確率分布を扱う理論、特に、量子分解の多変数化を軸とした新理論を拓くという点で独自性が高い。さらに、漸近的スペクトル解析は、Vershik の漸近的組合せ論の一翼を担い、確率論・量子論・表現論・組合せ論・関数解析などが出会う境界領域的色彩の強い研究課題である。
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