研究課題/領域番号 |
19H01794
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12010:基礎解析学関連
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
竹井 義次 同志社大学, 理工学部, 教授 (00212019)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 関数方程式論 / 漸近解析 / 代数解析 / 完全WKB解析 / パンルヴェ方程式 / 超幾何函数 / ホロノミック系 / ヴォロス係数 / 微分差分方程式系 / 隣接関係式 / 積分表示式 / ボロス係数 / 微分方程式 / 差分方程式 / 超幾何方程式 / 単純極 / 時間依存シュレディンガー方程式 / 確率微分方程式 / ファインマン・カッツの定理 / 非遺伝性変わり点 / ベッセル関数 / ストークス幾何 / 仮想的変わり点 / リッカチ方程式 / インスタントン解 / ボレル総和法 |
研究開始時の研究の概要 |
特異摂動型微分方程式が有するWKB解やインスタントン解と呼ばれる形式解に、ボレル総和法を用いて意味付けを行うのが完全WKB解析である。完全WKB解析を応用し、微分方程式の解の大域構造を具体的に記述することが本研究の目的である。楕円函数への変換を利用してパンルヴェ方程式の場合にまずこれを実現し、さらに関連する線型偏微分方程式系や差分方程式の完全WKB解析の理論整備にも本質的な進展をもたらすことを目指す。
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研究成果の概要 |
非線型や差分方程式も含めた微分方程式系の完全WKB解析の理論整備に取り組み、パンルヴェ方程式や超幾何系を完全WKB解析の立場から考察した。パンルヴェ方程式の雛型であるリッカチ方程式のインスタントン解の解析的意味付けの問題が解決されると共に、ベッセル函数が満たす差分方程式のストークス幾何の構造の決定、連立の微分差分方程式系を用いたウェーバー函数のヴォロス係数の決定、及びガウスの超幾何函数の積分表示式の自然な導出、等の諸結果が得られた。また、時間依存シュレディンガー方程式の初期値問題のWKB型の形式解の解析的意味付けが、対応する確率微分方程式を利用して得られることもいくつかの場合に示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
完全WKB解析が非線型や差分方程式も含む一般の微分方程式系に拡張されれば、その解の大域解析が大きく進展するものと期待され、本研究の研究成果はそれに向けての第一歩と考えられる。例えば、リッカチ方程式のインスタントン解の意味付けの問題の解決はインスタントン解を用いた非線型方程式の大域解析の可能性の証左となる成果であり、ヴォロス係数の決定や積分表示式の導出に連立の微分差分方程式系が有効に用いられたことは差分方程式の完全WKB解析の将来性を保証する。さらに、時間依存シュレディンガー方程式の初期値問題のWKB型の形式解に関する結果は、完全WKB解析と確率微分方程式の思わぬ関連性を示唆している。
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