研究課題/領域番号 |
19H01805
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分12040:応用数学および統計数学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2023) 広島大学 (2019) |
研究代表者 |
李 聖林 京都大学, 高等研究院, 教授 (50620069)
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研究分担者 |
木村 暁 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 教授 (10365447)
栄 伸一郎 北海道大学, 理学研究院, 特任教授 (30201362)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | パターン形成 / 数理医学 / 初期発生 / 細胞配列 / Phase-fieldモデル / 細胞極性 / 非対称分裂 / フェーズフィルドモデリング / 反応拡散系 / 極性形成 / 非対称細胞分裂 / 細胞の配列 / 反応拡散方程式 / 数理モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
非対称細胞分裂は初期発生において細胞の多様化を生み出すもっとも重要な仕組みの一つである。注目すべきは細胞分裂の前に母細胞が自ら持つタンパク質を左右非対称に分布させる極性形成が、非対称細胞分裂全体のプロセスを左右する中枢的な役割を果たすことである。本研究では細胞という空間要素を考えずに分子の動態のみに注目してきた従来の局所的なアプローチから完全に離れ、細胞の高次元の形と細胞分裂の動的ダイナミクスおよび細胞間の相互作用(位置関係)を考慮した上で分子の動態を時空間的に考察できる大域的数理モデリングの開発に挑戦し、新しい極性形成の数理理論の創出および細胞の多様化の仕組みを統合的に解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、非対称細胞分裂および初期発生における極性形成の統合的数理モデルを構築し、細胞分化の数学的構造の解明と生物実験による検証を通じて、細胞多様化の普遍的な制御機構を提唱することを目的とする。構築したモデルは細胞内外の生体分子相互作用に基づき、広範な生命現象に応用可能である。主な成果として、細胞膜および細胞質内における極性形成の数学的構造を数理モデルにより解明し、4細胞期における細胞配列の決定機構を示した。また、Cell morphology modelを開発し、実験データを反映した3次元モデルを構築した。これらの手法は普遍性を持ち、他の動物モデルにも適用可能である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、非対称細胞分裂における極性形成機構を統合的に把握するための大域的モデリング手法を構築し、その数理的解析を通じて、従来の局所的モデリングでは説明できない現象を解明することを目指す。これにより、細胞分化および多様化に関する新たな理論と実証的知見が期待される。 また、研究の成果は、基礎生物学のみならず、再生医療およびがん研究にも大きな影響を与える可能性がある。幹細胞の分化メカニズムの解明は再生医療の発展に寄与し、がん細胞の異常分裂の理解は新規治療法の開発に繋がる。また、数理モデルを用いた生命現象の解析は教育分野でも重要な役割を果たし、次世代の科学者育成に貢献できる。
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