研究課題/領域番号 |
19H01811
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分13010:数理物理および物性基礎関連
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
波多野 恭弘 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (20360414)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
12,740千円 (直接経費: 9,800千円、間接経費: 2,940千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
|
キーワード | 地震 / 潮汐 / 地震発生率 / 規模別頻度分布 / 粉体 / 地震発生頻度 / 誘発 |
研究開始時の研究の概要 |
潮汐などによる数kPa程度の微弱な応力変動が地震発生頻度と相関しうることが最近の高精度観測により分かってきた。本研究では、この現象を「応力摂動に対する感受性の増大」として力学系的に理解することを目指す。断層破壊過程を力学的にモデル化し、地震発生頻度が応力摂動に対して鋭敏になる条件を数値的に調べることで、地震発生場の物理的状態について定量的な知見を与える。
|
研究成果の概要 |
地震発生率と規模別頻度分布の潮汐応答性に関して力学的モデル研究を行った。得られる結果は仮定された摩擦法則に大きく依存することを発見した。岩石摩擦実験で確認される速度・状態依存摩擦法則を仮定するとクーロン応力変化に対して指数関数的に地震発生率が増大し、その特性応力は法線応力に比例する。他方、単純な静止摩擦・動摩擦モデルにおいてはクーロン応力変化に対して線形に地震発生率が増大する。規模別頻度分布については法線応力の摂動も大きな影響力をもち、わずかな法線応力の低下も規模別頻度分布を変化させることが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地震の発生機構に関する科学的理解は、日本のみならず地震発生帯に位置する国々にとっての重要課題である。本研究は地震の発生機構解明に関する基礎研究として位置付けられる。本研究のテーマである、わずかな応力変化が地震発生率や規模別頻度分布に影響を及ぼす現象は防災・減災にとっても大きな意義を持っている。本研究の成果をさらに発展させることで、応力摂動への応答に関する観測データから断層に働く摩擦力の性質を(ある程度)拘束できるようになる。地震発生過程に関する謎の多くは断層に働く摩擦力が分からないことに起因しているので、ここから地震の発生機構に関する科学的理解がさらに進むことが期待される。
|